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妊娠・授乳中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種について
新型コロナウイルス感染症ワクチンについて
日本で接種が行われている、ファイザー製ワクチン「コミナティ筋注ワクチン」とモデルナ製ワクチン「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」は、いずれもmRNAワクチンと呼ばれる新しいタイプのワクチンです。このワクチンは、ウイルス等の毒性を弱めて作られた生ワクチンとは異なり、接種により新型コロナウイルスに感染することを心配する必要はありません。
妊娠中の安全性について
コミナティ筋注、COVID-19ワクチンモデルナ筋注の添付文書*では、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することと記載されています。
動物試験では、母動物が接種することで動物の赤ちゃんに悪影響は見られませんでした。
米国におけるmRNAワクチンを接種した妊婦さんの登録調査では、副反応の頻度は妊娠していない女性と同程度でした。また、流産や死産、早産などの頻度は一般的な妊婦さんと比べて上昇しないことが報告されました。イスラエルからの報告でも流産や死産の頻度などは、ワクチンを接種していない妊婦さんと同程度でした。現在もさらなる調査が行われています。
妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、感染していない妊婦さんと比べて重症化する割合や早産等が多いとの報告もあり、ワクチン接種のメリットがあると考えられています。
妊婦さんの新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aも、あわせてご確認ください。
授乳中の安全性について
コミナティ筋注、COVID-19ワクチンモデルナ筋注の添付文書*では、予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することと記載されています。
このワクチンの性質からは、母乳移行量は非常に少なくなると考えられています。さらに多少のワクチン成分を含んだ母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、赤ちゃんに悪影響が及ぶとは考えられません。
実際にワクチン接種後の母乳移行について調べた研究では、母乳中にmRNAは検出されなかったと報告されています。また、授乳中の多くの赤ちゃんに問題はみられなかったとの報告もあります。
これらのことから、授乳中のワクチン接種は問題ないと考えられます。
*薬機法にもとづく公的文書で、薬などに添付され、用量・用法・使用上の注意、副作用などが記載されている説明書です。
副反応での解熱鎮痛薬の使用について
妊婦さんの場合、アセトアミノフェンは使用可能ですが、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)の妊娠後半期の使用は避けるべきと考えられています。
授乳婦さんの場合、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)ともに安全に使用できると考えられます。
新型コロナウイルスワクチンに関する情報サイト
厚生労働省
- 妊娠・授乳中の新型コロナワクチン接種について
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感染後のワクチン接種について
感染後のワクチン接種について、通常通り接種できるという情報が掲載されています。
日本産婦人科感染症学会
日本産婦人科感染症学会からは、ワクチンに関するQ&Aが作成されています。