日本人におけるミトコンドリア肝症の臨床像・遺伝学的特徴を初めて解明
ミトコンドリア病は約5000人に1人の頻度で発症する最も頻度の高い、エネルギー産生障害を引き起こす先天代謝異常症です。神経・筋症状を呈するミトコンドリア病はよく知られていますが、黄疸など肝症状を主体とするミトコンドリア肝症についてこれまでほとんど知られていませんでした。
我々は、全国から寄せられる症例やレジストリ登録のデータから、過去13年にわたる重症型ミトコンドリア肝症と診断された日本人23例の臨床像、遺伝学的特徴、予後について解析を行いました。原因遺伝子は18例(78%)において同定されました。初発症状は約半数の症例が乳児期早期から成長障害を呈しており、乳児期の黄疸・胆汁うっ滞を21例(91%)で認めました。肝移植は12例に対して行われており、5例が生存していました。
今回の研究において重症型ミトコンドリア肝症の臨床像、分子遺伝学的特徴、また肝臓移植手術の長期予後を明らかにしたことで、本症の早期診断、治療法の選択や肝移植の適応の検討に大いに役立つことが期待されます。
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