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- 肺に空気を送ったり、痰を吸引しやすくするために気管に孔を開けることを気管切開といいます。
呼吸するとき、吸った空気は鼻やのどから気管を通って肺に送られます。呼吸がうまくいかなかったり、痰や分泌物がうまくはきだせずに苦しくなってしまうことがあります。こういう時に、気管切開をしてあげることで空気が肺に行き渡りやすくなり、痰も吸引しやすくなるのです。 - 適応は?長期間挿管が必要な場合口や鼻から長いチューブを気管内に入れたままにしていると、ちょっと体を動かしただけで間違って抜けてしまい、危険な状態になることがあります。ずっと動かないように寝たきりにされていることはとても苦痛ですし、筋力も落ちてきます。
- 人工呼吸器が必要な場合早く動けるようにしてあげたいですね。
- 気管内挿管が難しい場合のどや喉頭(声を出すところ)が狭いとチューブを入れることが困難なことがあります。無理したことで逆に苦しくなってしまうことがあります。
- メリットは?長いチューブを顔の周りに固定する必要がなくなるので、だっこしてあげたり、体を動かしてあげることができます。
口やのどに硬いチューブがないので、口から食事ができる子もいますし、声が出る子もいます。
- デメリットは?人工物が気管内に入っていますので、感染や潰瘍、出血などの可能性があります。
気管にチューブが入っているだけで、走り回ったり、ご飯を食べたり、他の子とまるっきり同じことができていても、幼稚園や就学のときに制約がでることがあります。
このサイトは「気管切開が必要」といわれたお子様のご家族や関係する方々のために作成しました。急に「気管切開」という言葉をきいてとまどっている方も多いのではないかと思います。気管切開は呼吸を助けるための最終手段の一つです。でも、同時に新しい生活の始まりともなります。気管切開されていても、声を出して笑い、隣の家のお友達と同じ学校に通い、かけっこでは一等賞をとり、吹奏楽部で金管楽器を吹いているお子様もいます。誤嚥を繰り返していたのに、痰が出しやすくなったために学校を欠席しなくなったお子様もいます。もちろんお子様一人一人の病態によって、気管切開の必要性、気管切開後の状態もまちまちです。ぜひ「小児の気管切開」についての正しい知識を持ってうまく付き合っていき、こどもたちの健やかな発達を促していただければと思います。