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こどもの「からだの不調」と「抑うつ」の関連強い~夏休み明けは特に注意を~

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夏休み明けは、特にからだやこころの不調をきたしやすい時期と言われています。当センターが2021年12月に行った調査では、小学5年~中学3年のこどもの20~30%が頭痛や腹痛といった何らかのからだの不調を日常的に自覚していること、からだの不調を自覚しているこどもでは抑うつ症状の重症度が高いこどもが多いことが分かりました。
からだの症状は、身体の病気だけでなく、うつなどこころの病気のサインのことがあります。また、うつがある子どもは、自分では助けを求められないことも多いことがわかっていますので、子どもの近くにいる大人が子どもの変化に気づくことが大切です。
「からだの不調」の有症率
【「からだの不調」の有症率(当センターが2021年12月に実施した調査※のこどもの回答から分析)】
「からだの不調」と「抑うつ」のグラフ
【「からだの不調」と「抑うつ」(当センターが2021年12月に実施した調査※のこどもの回答から分析)】

※調査の内容

  • 「2021年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」(実施方法:郵送調査)は、層化二段無作為抽出法により全国50自治体から選ばれた小学5年生~中学3年生のこどもとその保護者を対象に調査票を郵送し、こども2,350名(回答率52%)、保護者2,451名(回答率54%)にご協力いただきました。
  • 直近半年間に自覚した身体症状(頭痛・腹痛・腰痛・めまい)の頻度について尋ねたところ、いずれかの症状を週1回以上の頻度で自覚していたこどもが20~31%に上りました。
  • もっとも多かったのは腹痛で、11~18%のこどもが週1回以上の頻度で自覚していました。
  • 小学 5~6年生の9%、中学生の13%に、中等度以上の抑うつ症状がみられました(日本語版 PHQ-A 尺度注1を使用して調査)。
  • 週1回以上の頻度で自覚する身体症状がないこどもでは、中等度以上のうつ症状を有する者が5%であったのに対し、週1回以上腹痛を自覚しているこどもでは、中等度以上のうつ症状を有する者が51%にのぼりました。

背景

国立成育医療研究センターコロナ×こども本部では、コロナ禍におけるこどもたちの状況を継続的に調査し、報告しています。「2021年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」(実施方法:郵送調査)と、「コロナ×こどもアンケート第7回調査」(実施方法:ウェブ調査)の共通項目の結果についてまとめた「コロナ禍における思春期のこどもとその保護者の心の実態報告書」(2022年3月)では、うつになっても『誰にも相談せず様子をみる』こどもが25~51%に上ることを報告しました。
今回は、「2021年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」(郵送調査)のみでこどもたちに尋ねた身体症状に関する質問に着目し、抑うつ症状の重症度との関連などを分析しました。
「2021年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」は科学技術振興機構および日本学術振興会による公的研究費で実施されました。

まとめ

今回の分析により、頭痛・腹痛・腰痛・めまいといった身体症状を頻繁に自覚しているこどもが多いこと、このような身体症状を有するこどもたちの中に深刻な抑うつ症状を抱えているこどもも少なくないことが示唆されます。
夏休み明けは、特にからだやこころの不調をきたしやすい時期と言われています。こどもの身体症状や抑うつ症状にいつも以上に注意を向け、決して無理をさせないこと、症状が強い場合や長引く場合には医療機関に相談することが大切です。

こどもが無料相談できるところ

国立成育医療研究センターコロナ×こども本部では、こどもが無料で相談できるところや相談先を探すサイト(いずれも一部)を、リストにまとめて公開しています。


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