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「Withコロナ時代のママのための健康サポートプログラム"構築に向けたアンケート調査」 NICU(新生児集中治療室)入院歴のあるお子さんのお母さんに対するアンケート結果のご報告

国立成育医療研究センターでは、当センターで出産した女性や通院中のお子さんのご家族に対するサポート体制を構築するため「Withコロナ時代のママのための健康サポートプログラム"構築に向けたアンケート調査」を行いました。今回、NICU(新生児集中治療室)入院歴のあるお子さんのお母さんにご協力いただきましたアンケート調査の結果をまとめました。ご協力くださいました皆様、ありがとうございました。

調査方法

  • 実施時期:2021年7月21日~11月3日
  • 対象:子育て中の女性(全回答者1380人からNICU入院歴のあるお子さんのお母さん206人を抽出)
  • 実施方法:Microsoft formsによるインターネット調査
  • アンケート内容:産後育児サポートについて(産後ケア事業の利用、パートナーの育児休暇取得など)
  • 回答者数:NICU入院歴のあるお子さんのお母さん206人が回答。有効回答数181件

産後ケア事業の利用について

NICUへ入院した場合、赤ちゃんは生まれてすぐにお母さんと離れ離れになってしまうため、お母さんやご家族にとって、赤ちゃんの育て方(育児方法)の習得が難しくなるという問題があります。育児方法の習得をサポートする施設のひとつに、宿泊や日帰りで母体ケア、乳児ケア、育児相談・指導などを行う「産後ケア事業」がありますが、これを利用したと回答したお母さんの数は全体の13%(23人)に過ぎず、8割以上の方が利用しなかった、または施設自体がなかったと回答していました。
NICU退院前から、お子さんとご家族ができるだけ長い時間を一緒に過ごすことができ、育児方法を習得しやすくなるような環境づくり(育児練習や退院後の生活がイメージできるよう、赤ちゃんとご家族が一緒にゆっくり過ごし、宿泊もできるファミリールームの設置など)が求められます。


産後ケア事業の利用のグラフ

パートナーの育児休暇について

NICUに入院したお子さんの子育てにおいてはパートナーの方の協力も必要です。アンケート回答者のうち、パートナーが育児休暇を取得した方は36人(20%)でした。日本における2020年度の男性育児休暇取得率12.65%(厚生労働省)と比較して高い割合ではありましたが、「育児休暇制度がなかった」と回答した方も19%(35人)いました。パートナーが育児休暇を取得できたとしても、その期間は「1週間未満」が31%、「1か月未満」が26% と短く、制度が十分に活用されていない実態が明らかになりました。NICUに入院した場合に、母親が産後うつになる可能性が上昇することが知られており、発症リスクの高い2週間〜1ヶ月を父親がサポートすることは、退院後の育児を行う上でも重要と考えられます。

パートナーの育児休暇の取得に関するグラフ

まとめ

皆様より寄せられたアンケートの回答より、お子さんがNICUに入院した場合は退院後の育児がスムーズに行えるよう、より一層のサポート体制が求められていることがわかりました。国立成育医療研究センターでは、これからもよりよい医療を患者さんに提供するため努力して参ります。







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