【1月21日開催】第26回免疫アレルギーTerakoya勉強会のお知らせ
この勉強会は、日頃診療している免疫アレルギー疾患の「基礎研究からどこまで分かっているのか」を体験する勉強会です。免疫アレルギー疾患の病態・治療に興味のある医療関係者、研究者に向けた勉強会ですので、皆さんのご参加をお待ちしています。
実施要項
開催日時 | 2022年1月21日(金)19時~(約1時間程度) |
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開催方法 | Microsoft Teamsによるオンライン開催(事前登録が必要です) |
対象 | 免疫アレルギー疾患の病態に興味のある医療関係者、研究者、初学者 |
事前登録方法 | 参加希望の方は下記アドレス宛てにご氏名、所属をご連絡ください。 開催1時間前に、招待メールを送付いたします。 |
事前登録メールアドレス | Allergy-terakoya@ncchd.go.jp |
申し込み締め切り | 開催当日 2022年1月21日(金)17時30分まで |
テクニカルセミナー |
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講師からのコメント
野村伊知郎(国立成育医療研究センター 好酸球性消化管疾患研究室 室長、アレルギーセンター併任医員)
日本では、古くから、鶏卵の離乳食を進めるとき、卵黄の少量からスタートしてきました。しかし、2017年頃から、卵黄を摂取して1-4時間後に、複数回嘔吐する急性のFood protein-induced enterocolitis syndrome(acute FPIES: アキュート エフパイズ)が増加してきました。ショック状態になる場合もあるため、適切な診断治療が求められていますが、診断までに、数件の小児科医院をdiagnostic odyssey(診断のためにさまよう)してしまうことが多いのが現状です。
卵黄を認識するメカニズムは、わかっていません。発作時の炎症の性質としては、2型のアレルギー炎症というよりも、3型の炎症が主体である可能性があります。選択的セロトニン拮抗薬であるオンダンセトロンが、著効するため、非即時型アレルギー炎症のみならず、消化管の神経系に病態の比重があるのかもしれません。
胃には様々な細胞が存在し、intelligentなシステムを動かしています。神経系細胞、内分泌系エンテロクロマフィン細胞、胃酸を産生する壁細胞、D細胞、主細胞、などなど。研究が進み、それぞれの役割がわかってきました。その最新知識を共有し、acute FPIESの反復嘔吐がなぜ起こるのか、ご一緒に考えることができればと思います。