【国際貢献】ベトナム・小児生体肝移植プログラムのご報告
この度、2023年12月15日に小児生体肝移植プログラムの支援を行っているベトナム・ホーチミン市のホーチミン大学医学部付属病院を笠原群生院長とともに訪問いたしました。この病院では、すでに成人症例に対して生体肝移植を実施されていますが、小児症例に対する生体肝移植への展開が必要ということで、2022年5月より継続して計11人の小児胆道閉鎖症症例に対して生体肝移植手術を現地医師・看護師とともに実施し、良好な成績を示すことができています。
今回の訪問では、生体肝移植手術を受け元気になられた小児の患者・家族の方々に再会する機会があり、医師として大変貴重な時間を過ごすことができました。この訪問の後、ベトナム・フエ市で開催された第8回ベトナム移植学会に参加し、笠原院長は肝移植医療における成人症例と比較した小児症例の特徴・問題点を、また、私は小児生体肝移植の手術手技について発表させていただき、ベトナム全国から参加された先生方と有意義な情報交換を行うことができました。
臓器移植センターではベトナムに加えてエジプト・インドネシア・モンゴル・カザフスタンなど、主に脳死肝移植実施困難な国々の施設において医療支援を行ってきましたが、日本において発展した生体肝移植、特に小児生体肝移植はさまざまな国々から支援を求められている医療です。私たち外科医だけでなく、集中治療科、麻酔科などの医師や看護師と協力しあって治療を進めていく肝移植医療を、今後も海外の国々に提供していく所存ですので、ご協力よろしくお願いいたします
臓器移植センター センター長 阪本靖介