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血友病Bの遺伝子治療に関する国際共同治験結果が国際的な総合医学雑誌に掲載されました

当センター臨床研究センター(石黒精センター長補佐・遺伝子細胞治療推進センター治療推進室長)は、2019年7月から2022年11月に行われた「血友病B」の成人患者さんに対する遺伝子治療用製品(フィダナコゲン エラパルボベク)の国際共同治験に日本から唯一参加し、チームでその成果を纏めた論文が2024年9月26日、国際的に権威のある総合医学雑誌『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』に掲載されました。

血友病Bの患者さんでは血液を固めるために働く第Ⅸ因子が欠乏し、血液が固まりにくく出血を繰り返す症状が現れます。重症の患者さんでは筋肉や関節内への自然出血を繰り返し、重度の合併症である頭蓋内出血は後遺症や死亡の一因となります。
主に男性に発症する疾患で、2023年の血液凝固異常症全国調査によると日本の血友病Bの男性患者さんの数は約1,300人と報告されています。

フィダナコゲン エラパルボベクは第Ⅸ因子遺伝子を持った遺伝子治療用製品で、肝臓内で第Ⅸ因子を作らせる働きをします。
今回の治験により、本製品を投与すると、第Ⅸ因子の安定した発現が認められ、これまでの治療方法よりも出血頻度が少なく、安全性も高いことが判明しました。

これまで重症の血友病Bの患者さんは出血予防のために、週数回の定期的な静脈注射が必要とされてきましたが、今回の治療方法により1回の静脈注射を行うことで数年間(3~5年程度)の長期にわたって静脈注射が不要になります。実用化されることにより患者さんのQOL(生活の質)の向上に寄与します。
本製品は日本国内での薬事承認に向けて製薬企業より申請中で、今後保険適用を目指していく予定です。

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 日本国内版

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