米国遺伝子細胞治療学会(ASGCT)参加報告
成育遺伝研究部 部長
小野寺 雅史
2014年5月21日~24日、Bethesda(MD, US)で開催された米国遺伝子細胞治療学会(ASGCT)に参加してきました。この学会は米国の遺伝子細胞治療学会が年次総会として開催しているもので、その年の遺伝子細胞治療に関わる基礎研究や臨床研究の成果が発表される会であります。今回も米国のみならず欧州やアジアの各国から1500人以上の医師や研究者が参加し、総演題数約800題のもと熱心な議論がなされました。私は、毎年、春のASGCTと秋の欧州遺伝子細胞治療学会(ESGCT)に参加しておりますが、今年度の印象としては遺伝子治療が一層その成熟さを増し、現在は治療としてその有効性や安全性を大規模なトライアルとして評価する段階に入っていると思われます。また、基礎的研究においても大きな進歩があり、より効率的な遺伝子導入法を求めて開発されたCRISPR/Casシステムが遺伝子治療臨床の分野においても応用され、その進歩の早さには目を見張るものがあり、近い将来、このようなシステムを用いた安全な遺伝子治療が開発される可能性を感じます。今後も本学会に参加し、すこしでも日本の遺伝子細胞治療の発展に役立てて行きたいと考えております。
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