Kings college時代の同僚と
国際肝移植学会参加報告(英国・ロンドン)
臓器移植センター
笠原群生
2014年6月4日から7日まで国際肝移植学会・英国ロンドンに臓器移植センター、病理診断部と参加して参りました。毎年開催される肝移植では一番大きな国際学会です。学会会場は先日ウィリアム王子が結婚式を挙げたウェストミンスター寺院、ビッグベンの目の前のQueen Elizabeth II カンファレンスセンターで、肝移植で有名なKings College HospitalのNigel Heaton教授主催で行われました。成育医療研究センターからは「EBウィルス感染症による劇症肝炎の病理学的検討」、「肝移植適応判断にARFI(肝臓の硬度を測定するエコー機器)の有用性」、「新生児に対する肝移植方法」を発表しました。小児肝移植では劇症肝炎治療の変遷、新しい液性拒絶反応の治療方法、小児への分割肝移植の推進に国がどのような取り組みをしているかが活発に話し合われました。成人肝移植ではC型肝炎に対する新しい薬剤の多施設報告がTopicsで、新薬により肝移植後のC型肝炎の再発制御が可能となってまいりました。各国の脳死肝移植の症例数が増加していく中、アジア各国でも脳死肝移植が増加してきています。日本で臓器移植医療が一般化するには、一層の努力が必要と感じました。
12年前にKings Collegeに1年数か月留学していたため、久しぶりにKings College Hospitalを見学して参りました。ロンドン南部のDenmark Hillという場所にあり、当時からEU最大の移植プログラムで年間220例の脳死肝移植を実施しておりました。深夜のOncallが常で、脳死ドナー摘出時は正門で待ち合わせをしていましたが、当時と外観は全く変わっていませんでした。臓器移植で助かる子供たちの力になるよう、これからも移植チームで精進してまいります。
Kings college時代の同僚と
Kings college entranceで成育チーム移植と
学会発表
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