本邦初 将来の妊娠・出産を前提としたヘルスケアを総合支援する プレコンセプションケアセンターを国立成育医療研究センターで開設
この度、国立成育医療研究センターは、女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を提供することを目的にした『プレコンセプションケアセンター』を日本で初めて開設いたします。
本プレスリリースのポイント
- この度、国立成育医療研究センターは、女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を提供することを目的にした『プレコンセプションケアセンター』を日本で初めて開設いたします。
- プレコンセプションケアとは女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を提供することであり、そのことによって妊娠前の女性やカップルの健康状態を改善させ、その結果、将来の女性やカップル・子どもたちの短期的・長期的な健康増進に繋がります。
- 『プレコンセプションケアセンター』の業務として、相談、検診、情報提供、調査を行います。特に、プレコンセプション相談外来では、現在ご病気をお持ちの方や、小児期にご病気をお持ちだった方からの将来の妊娠・出産についてのご相談、なかなか妊娠しないカップル、妊娠してもこれまでに思うような結果が得られなかったカップルのご相談に力を入れていきます。プレコンセプション・チェックプランとして、いつか妊娠を考えるすべての女性を対象にあらゆる視点から現在の健康状態と栄養状態のチェック(検診)を行い、それに基づいて医師と管理栄養士によるカウンセリングを行います。
概 要
国立成育医療研究センターは、胎児、新生児、乳児、幼児、学童、思春期というリプロダクションサイクルにしたがって健康な胎児から成人への成長・発達を図る総合的かつ継続的医療である成育医療を実施する日本唯一のナショナルセンターです。図に示しました妊娠前、妊娠中、産後の女性とその児の適切な管理が、良質な成育医療の実現に必須であることはいうまでもありません。
今回、さらなる成育医療の実現のために、図のリプロダクションサイクルの中の思春期から妊娠までのケアに注目した『プレコンセプションケアセンター』を設立することになりました。海外では、2008年に米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)、2012年に世界保健機関(World Health Organization:WHO)がプレコンセプションケアを提唱しています。国立成育医療研究センターはプレコンセプションケアを日本に普及させるために、日本初のプレコンセプションケアセンターを開設することになりました。
国立成育医療研究センターは、周産期・母性診療センターや各専門診療科、妊娠と薬情報センターなどで既に行われている妊娠前管理を統合するセンターを設立することによって、我が国の成育医療の発展および女性の健康増進へ益々貢献できることを確信しています。
『プレコンセプションケアセンター』の概要
1. プレコンセプションケアとは
プレコンセプションケアとは、女性やカップルに将来の妊娠のための健康管理を提供することです。このケアは、妊娠前の健康状態を改善し、女性やカップル・子どもたちの短期的かつ長期的な健康増進に役立ちます。
2. プレコンセプションケアの対象となる方
- □ すべての妊娠可能な年齢の女性とカップル
- □ 先天性疾患・小児期からの慢性疾患をもったひと、小児期に臓器移植をうけたひと、小児がんを経験したひととその家族
- □ 病気を持った女性(糖尿病・甲状腺疾患・膠原病・腎臓病・高血圧・気管支喘息・炎症性腸疾患・こころの病気・がん既往・まれな病気など)
- □ 妊娠できない、流産してしまうカップル
- □ 前回の妊娠が大変だった、赤ちゃんが先天性の病気だった場合など
- □ 家族に遺伝疾患がある場合
3. 『プレコンセプションケアセンター』の業務
相談、検診、情報発信、調査を行います。
- ① プレコンセプション相談外来:プレコンセプションケア対象のかたがたのご相談に対応します。特に、現在ご病気をお持ちの方や、小児期にご病気をお持ちだった方からの将来の妊娠・出産についてのご相談、なかなか妊娠しないカップル、妊娠してもこれまでに思うような結果が得られなかったカップルのご相談に力を入れています。
- ② プレコンセプションケア・チェックプラン:いつか妊娠を考えるすべての女性を対象に、あらゆる視点から現在の健康状態のチェック(検診)を行い、日々の生活や健康について医師や管理栄養士によるカウンセリングを行います。
- ③ 情報発信:ウェブサイトの充実など、プレコンセプションケアに関する情報を発信します。また、さまざまな病気の妊娠・出産や次世代への影響に関する情報を集め、妊娠前に知っておいていただきたい最新の情報を発信していきます。
- ④ 調査:これまでに妊娠・出産や次世代への影響に関する情報が十分ではなかった病気や状態に関する状態について、調査を行っていきます。
- 本件に関する取材連絡先
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国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
03-3416-0181(代表)
koho@ncchd.go.jp
月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時
※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。