第二回インド肝移植研究会に参加して
臓器移植センター
笠原群生
2015年1月28日~31日までインドのチェンナイ(旧マドラス)で開催されたMaster Class in Liver Disease: The practice of Living Donor Liver Transplantationにおいて、成育医療研究センターで実施している新生児に対する肝移植の適応と術式、移植臓器を小さくする工夫を発表してきました。参加者600名(22か国)と盛会で国際色豊かな学会でした。インドでは年間生体肝移植を1300例実施しており、脳死肝移植も数多く実施されています。学会は各国のエキスパートによる講義形式で、主に欧米の脳死肝移植と中東・アジアの生体肝移植の社会的背景の相違、移植適応・成績・管理の違いが議論されました。最終日は英国留学時代の上司Mohamed Rela教授執刀による小児生体肝移植(胆道閉鎖症)、成人生体肝移植(B型肝炎肝硬変)、自己肝温存生体肝移植(プロピオン酸血症)の3例のライブデモが行われました。肝移植は技術的な問題がほぼ克服され、安全な医療として確立していますが、様々な社会的背景の中でさらに症例・成績を向上する努力が必要と感じました。
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