エジプト国立肝臓病センターで肝移植支援
臓器移植センター
笠原群生
2016年5月13~15日までエジプト、メノフィーヤ地区にある国立肝臓病センターで、生体肝移植手術支援に行ってまいりました。エジプトでは過去の不衛生な予防接種・売血などでC型肝炎感染率が高く、C型肝炎肝硬変・肝臓がんの患者さんが大変多く肝移植の適応になります。また小児肝移植症例の多くが国立肝臓病センターに紹介になります。今回は2日間で3例(成人生体肝移植2件:C型肝硬変、肝臓がん、小児生体肝移植1件:高シュウ酸尿症)の生体肝移植を実施してきました。
エジプトは古代より死後にミイラを作るなど死後の世界を大変大切にする国で、脳死臓器移植の実施が宗教上・社会的理由で困難です。このため脳死肝移植に代わり、日本で発展した生体肝移植が末期肝不全患者さんの救命のために必要性が高いのです。
2001年からエジプトの生体肝移植支援を行っており、今年度で16年目になります。若手外科医だった医師が成長している姿にも大変感銘を受けました。
今後も可能な範囲で支援を続けていければと思います。
写真1.小児生体肝移植を受ける患者さんと、手術直前に。
写真2.生体肝移植プログラム開始15周年記念
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