牛乳アレルギー治療(経口免疫療法)に対する有効性検証試験 (乳酸菌発酵果汁飲料を用いた二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-パイロット研究)を開始
※現在、募集は終了しております
牛乳アレルギーに対する低用量経口免疫療法に乳酸菌発酵果汁飲料を併用する臨床研究
国立成育医療研究センターアレルギーセンターでは、牛乳アレルギーに対する緩徐経口免疫療法に乳酸菌発酵果汁飲料を併用する臨床研究である「牛乳アレルギー治療(経口免疫療法)に対する有効性検証試験(乳酸菌発酵果汁飲料を用いた二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-パイロット研究):TOY(トイ) Study(スタディ)」を平成30年3月から開始しました。プレスリリースのポイント
- 食物アレルギーに対する治療法の1つに低用量経口免疫療法(原因となる食べ物を除去するのではなく、安全な量で少しずつ食べることで耐性の獲得を目指す治療法)があります。また、抗アレルギー効果を有する食品として乳酸菌が注目されています。
- この臨床研究は牛乳アレルギーに対する低用量経口免疫療法をおこなう際に、同時に乳酸菌発酵果汁飲料を併用することで、低用量経口免疫療法の治療効果が増強されるかを検討します。
- 牛乳アレルギーをもつ1歳〜18歳のお子さんで、当該臨床研究にご参加いただける方を募集しています。将来のこどもたちの食物アレルギー治療につながるよう、皆様のご協力をおまちしております。
背景・目的
食物アレルギーは近年世界中で増加しています。その治療法の主体は原因となる食物をさける除去食ですが、摂取する食物を制限することは患者さんやそのご家族の日常への負担が大きいだけでなく、成長障害へとつながる可能性があります。現在、食物アレルギーの治癒を目指す新しい治療法として経口免疫療法が注目されています。この治療法は、原因となる食べ物を除去するのではなく、安全な量で少しずつ食べることで耐性の獲得を目指す治療法です。またアレルギー疾患の治療の一環として、抗アレルギー効果を有する食品である乳酸菌が注目されています。今回使用する乳酸菌で発酵させた果汁飲料(以下、乳酸菌発酵果汁飲料と略)を継続して摂取すると、スギ花粉症やアレルギー性鼻炎の症状が改善することも報告されています。今回の試験では、牛乳アレルギーの患者さんに対して低用量経口免疫療法を行う際に、同時に乳酸菌発酵果汁飲料を摂取することで、経口免疫療法の治療効果が増強されるかを検討します。増強効果が認められれば、食物アレルギー症状やQOL(生活の質)の改善が期待できます。
研究にご協力いただきたいお子さん
同意取得時に年齢が1歳以上18歳以下、かつ牛乳アレルギーを有するお子さんで、当該臨床研究にご参加いただける方を募集しています。将来のこどもたちの食物アレルギー治療につながるよう、皆様のご協力をお待ちしております。臨床研究の方法
牛乳の経口負荷試験にて牛乳アレルギーの診断をおこないます。その際に少量の牛乳摂取でアレルギー症状の出現がみられる場合に経口免疫療法を要すると判断されます。牛乳の低用量経口免疫療法を開始すると同時に、試験飲料またはプラセボ飲料を毎日摂取します。どちらの飲料を摂取するかは、研究開始時にコンピューターのプログラムで決定します。牛乳の低用量経口免疫療法と、試験飲料またはプラセボ飲料の摂取を半年間継続し、研究終了時に牛乳の経口負荷試験をおこない治療効果を判断します。費用
全て保険診療の対象となる治療ですので、通常の保険診療でかかる費用(健康保険および自己負担)のお支払いとなります。(お住まいの地域によりこどもの医療費助成制度により費用負担は異なります。参考:世田谷区は自己負担なし)研究初診の方は、特定療養費はいただきません。研究へ参加される方には本研究への協力に対し参加協力費として、登録時・3か月後・研究終了時にそれぞれQUOカード5000円分を提供致します。
受診に関するお問い合わせ
通常の外来とは異なり、研究外来の受診となりますので、受診まで比較的お待たせすることなく、スムーズに初診が予約できます。年齢に関係なく負荷試験時の症状が軽ければ日帰り入院が可能です。
予約センターではなく、下記、研究事務局にご連絡を頂き、その後お電話でご相談の上、で受診予約をさせていただきます。食物アレルギーの初診外来とは別に初診枠を設けていますので予約の取得は比較的スムーズです。
- 本件に関する取材連絡先
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国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
03-3416-0181(代表)
koho@ncchd.go.jp
月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時
※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。