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出生できないと考えられていた機能亢進型GNAS遺伝子異常が新たな遺伝性腎疾患の原因であることを発見

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部の宮戸上級研究員と深見部長、システム発生・再生医学研究部の高田部長、また、浜松医科大学小児科の緒方教授と才津教授らのグループは、尿排泄障害を有する日本人2家系でGNAS遺伝子の機能亢進型変異を同定しました。これは、日本医療研究開発機構(AMED)のIRUD研究の一環として行われたものです。
GNASはもともと、その機能が低下したときにカルシウム代謝異常を生じる遺伝子として知られていました。
本研究によって、新たな遺伝性腎疾患の存在が明らかになりました。

プレスリリースのポイント

これまで、機能亢進型GNAS遺伝子変異を全ての細胞で持つ方は出生できないと考えられていました(図A)。われわれは、尿排泄障害(抗利尿不適合性腎症候群)を有する3世代2家系を対象として、遺伝子配列を網羅的に解析し、GNAS遺伝子の新たな変異を同定しました(図B)。

さらに、発見されたGNAS遺伝子変異について、コンピューターをもちいたタンパク質構造解析、培養細胞をもちいた機能解析、モデル動物をもちいた尿排泄機能解析を行い、この変異が軽度の機能亢進作用を有することを見いだしました。

本研究によって、機能亢進作用の程度が軽度であれば、GNAS遺伝子変異を全ての細胞で持つ方が出生できることが明らかになりました(図A)。これまで原因がわかっていなかった尿排泄障害を有する患者さんの中に、この遺伝子の変異を持つ方がいらっしゃる可能性があります。

プレスリリース説明図

発表論文情報

著者:
Mami Miyado, Maki Fukami, Shuji Takada, Miho Terao, Kazuhiko Nakabayashi, Kenichiro Hata, Yoichi Matsubara, Yoko Tanaka, Goro Sasaki, Keisuke Nagasaki, Masaaki Shiina, Kazuhiro Ogata, Youhei Masunaga, Hirotomo Saitsu and Tsutomu Ogata
題名:
Germline-Derived Gain-of-Function Variants of Gsα-Coding GNAS Gene Identified in Nephrogenic Syndrome of Inappropriate Antidiuresis
掲載誌:
Journal of the American Society of Nephrology. 2019 (in press)
本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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koho@ncchd.go.jp

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