離乳食で鶏卵摂取を遅らせた方がよいと誤って答えた親は約43%!~妊娠期から正しいアレルギー知識を身に付けることが必要~
国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)のアレルギーセンター山本貴和子、大矢幸弘らのグループは、保護者が妊娠期間中にアレルギーに関する知識・認識をどの程度を持ち、アレルギー予防に対してどのような対策をとっていたのかをアンケート調査しました。その結果、「離乳食で鶏卵を食べさせることを遅らせた方がよい」と、誤った認識をもった保護者が約43%もいることが分かりました。これは、科学的根拠に基づくアレルギーの情報が、保護者に認知・浸透していない事をあらわします。当センターは今回のアンケート結果が周知され、マタニティクラスなどでアレルギーが取り上げられることで、アレルギーの予防や早期発見、重傷化予防に役立つことを期待しています。
この論文は、アメリカのアレルギー・喘息・免疫学会誌である"Annals of Allergy, Asthma and Immunology"に掲載されています。
プレスリリースのポイント
- 離乳食で鶏卵を食べさせることを遅らせた方がいいと、誤った認識を持った保護者が43.2%もいることが判明しました。
- その一方で、ほぼ全ての人(83.9%)が新生児期から保湿剤を塗ることがアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げると正しく認識していました。
- 各自治体などで行われているマタニティクラスでは、栄養や母乳などの基本的な内容が多く、アレルギーに関する内容はあまり一般的ではありません。そのため、アレルギーのある保護者からは、マタニティクラスでアレルギーについて学べる機会があった方がよいという意見が9割を超えました。
発表論文情報
著者: | 山本貴和子1, 高山ジョン一郎2, 齋藤麻耶子1, 二村昌樹3, 大矢幸弘1 |
所属: | 1 国立成育医療研究センター;2 UCSF Benioff Children's Hospital;3 国立病院機構名古屋医療センター |
題名: | Prenatal visits for allergy prevention |
掲載: | Annals of Allergy, Asthma and Immunology 2020 Feb;124(2):198-200 https://www.annallergy.org/article/S1081-1206(19)31450-4/abstract |
本件に関する取材連絡先
国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
03-3416-0181(代表)
koho@ncchd.go.jp
月~金曜日(祝祭日を除く)9時?17時
※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。
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