「コロナ×こどもアンケート」第2回調査報告
国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵2-10-1理事長:五十嵐隆)の社会医学研究部・こころの診療部を中心としたグループ「コロナ×こども本部」は2020年6月~7月に実施した「コロナ×こどもアンケート」第2回調査の全体報告をまとめました。第2回調査では、特に学校再開後のこどもたちのコロナ禍におけるいじめなどにも着目して質問を構成し、全国のこどもや保護者あわせて6,772名にご協力いただきました。
32%のこどもは「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」と回答し、また40%のこどもが「コロナになった人とは、コロナが治っても、あまり一緒には遊びたくない人が多いだろう(付き合うのをためらう人が多いだろう)」と答えました。これは、感染が終息していない中での学校や社会生活の再開に伴い、こどもたちの誰もがスティグマ※の問題を避けて通れないことを意味していると考えられます。
また、「コロナのことを考えると嫌になる」や「最近集中できない」といった、何らかのストレス反応を示すこどもは72%で、4月~5月に行った第1回調査からあまり改善が見られませんでした。
例年8月下旬~9月上旬に子どもの自殺が多く、夏休み明けを迎える子どもの心への負担が指摘されていますが、今年は特に注意をはらう必要があります。
なお、第2回調査の報告書全文は、国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」のページで公開しています。(https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/survey.html#3tab)
※スティグマ:差別・偏見の対象となるような良くない印を、他者や社会が個人につけること。
【プレスリリースのポイント】
- コロナ×こどもアンケート第2回調査には、全国のこども981名、保護者5,791名、計6,772名の方々にご協力いただきました。
- 「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」という項目について、32%のこどもがあてはまると回答しました。
- 「コロナになった人とは、コロナが治っても、あまり一緒には遊びたくない人が多いだろう(付き合うのをためらう人が多いだろう)」という項目については、40%のこどもがあてはまると回答しました。
- 何らかのストレス反応を呈しているこどもが72%(第1回調査では75%)。また、こころに何らかの負担を感じている保護者が63%(第1回調査では62%)で、第1回調査から大きな改善は見られませんでした。
- 第3回調査「コロナ×こどもアンケートその3」を9月1日より実施します。
- 本件に関する取材連絡先
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koho@ncchd.go.jp
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