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先天性甲状腺機能低下症で甲状腺腫がある成人患者は、「甲状腺結節(甲状腺のしこり)」に注意 ~超音波検査などによる長期的フォローアップを~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区、理事長:五十嵐隆)の分子内分泌研究部 鳴海覚志室長は、伊藤病院(東京都渋谷区、病院長:伊藤公一)の渡邊奈津子内科部長、杉澤千穂医師と共同で、生まれつき甲状腺ホルモンを作ることができない先天性甲状腺機能低下症の成人患者103名を対象とした調査研究を行いました。
血液検査と画像検査の結果を詳しく調べたところ、甲状腺腫(甲状腺が大きくなった状態)がある先天性甲状腺機能低下症の患者の71%に、甲状腺結節(甲状腺にできるしこり)が見られました。これは、健常者と比べて著しく高い割合です。甲状腺が大きくなっている先天性甲状腺機能低下症の成人患者では、超音波検査で甲状腺の状態を注意深く観察していく長期的なフォローアップが重要であると言えます。
本研究成果は、米国の甲状腺学専門誌『Thyroid』で2023年2月15日にオンライン公開されました。

先天性甲状腺機能低下症の患者で、甲状腺結節をもつ割合のグラフ

プレスリリースのポイント

  • 乳児期に診断される先天性甲状腺機能低下症患者の甲状腺が、成人期にどのような状態となっているかを調べたまとまった研究は、これまでありませんでした。
  • 成人の先天性甲状腺機能低下症患者のうち、甲状腺が大きくなっている甲状腺腫がある患者の71%に、直径1 cmを超える甲状腺結節(しこり)が見られることがわかりました。
  • 甲状腺が大きくなっている先天性甲状腺機能低下症の成人患者では、定期的な超音波検査で甲状腺の状態を注意深く観察していくことが必要です。

発表論文情報

英文タイトル:『Adult Thyroid Outcomes of Congenital Hypothyroidism』
和文タイトル:『先天性甲状腺機能低下症の成人期の甲状腺』

著者名:杉澤 千穂1), 2)、鳴海 覚志3)、中尾 佳奈子3)、星山 綾子1)、鈴木 菜美1)、大江 秀美1), 4)、福下 美穂1)、松本 雅子1)、吉原愛1)、渡邊 奈津子1)、杉野 公則5)、菱沼 昭6)、吉村 弘1)、加藤 良平7)、谷山 松雄1), 2)、伊藤 公一1)

所属
1) 伊藤病院 内科
2) 昭和大学藤が丘病院 糖尿病・代謝・内分泌内科
3) 国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部
4) 名古屋甲状腺診療所
5) 伊藤病院 外科
6) 獨協医科大学 感染制御・臨床検査医学
7) 伊藤病院 病理診断科

掲載誌:Thyroid

DOI:https://doi.org/10.1089/thy.2022.0481

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

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※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

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