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ごあいさつ

日本の周産期医療の成績は、周産期死亡率などの指標で世界最高レベルを長年維持しています。 一方で、周産期および小児領域の臨床研究については質・量ともに他の高所得国に比べ、後れを取っています。
諸外国に比べ予後が改善した日本の当領域においては、症例間での予後の差が乏しいことから、臨床研究から何らかの有益な知見を見出すためには、諸外国に比べより多くの症例数が必要です。 ところが、そういった大規模な臨床研究を実施するにあたって、多施設で臨床研究を実施するための体制が十分に整備されていないこと、臨床研究に利用可能な公的データベースや研究で取得されたデータなど各種情報の二次利用が十分になされていないこと、当領域の医師が臨床研究の方法論に精通していないこと、など多くの課題が存在します。
こういった課題に貢献するために、私たちは、令和元年より日本医療研究開発機構(AMED)研究費を主体とした公的資金を得て、周産期・小児領域における大規模多施設共同臨床研究を推進するための体制整備を開始しました。国立成育医療研究センターを主体として、日本周産期・新生児医学会、日本産婦人科学会、日本小児科学会などと連携しながら、以下に挙げる5つの課題に取り組んでいます。

  1. 生殖・周産期・小児期に関わるリンケージデータベースの構築
    各種データベースを連結し、より幅広い関連を長期にわたって検証できる仕組みを作ります。
  2. 介入すべき臨床課題の抽出と費用対効果分析
    日本においてさらなる臨床研究を要する疾病を明らかにし、その介入によって望ましい効果を得るのに要する費用を検討し、政策立案に貢献します。
  3. 研究実施支援体制整備ならびに研究支援
    多施設研究を行う際の基盤を構築し、実際の研究の計画立案、実施のサポートを行います。
  4. 学会等を中心とした臨床研究教育体制の整備と運用
    臨床研究に求められるスキルに関する教育コンテンツを作成し、関連学会の学会員を対象に公開します。
  5. 各種手続き・事務局機能を含む運営体制構築ならびに運用

上記1−5が継続的に運営できるような仕組みを構築します。
本ウェブサイトでは、わたしたちの活動とその成果を紹介すると共に、臨床研究の方法論を紹介するコンテンツを提供しています。また本ウェブサイトは実際の研究推進のための相談窓口でもあります。わたくしたちの活動が、みなさまの研究に貢献し、また有益な知見の発信につながることを目指しています。

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