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はしか(麻しんウイルス感染症)にご注意ください!!
2024年2月以降、国内で麻しんウイルスに感染している方が10人以上報告されています。 はしかは、麻しんウイルスに感染することによって発症し、重症化する恐れがある感染症です。その感染力は高く、新型コロナウイルスをはるかにしのぎます。麻しんウイルス含有ワクチン(以下、ワクチン)接種が唯一の感染予防手段となります。新型コロナウイルス感染症の流行により、国内外で小児のワクチン接種率が低下し、近年はしかに対して免疫を持たない方が増えてきておりますので注意が必要です。はしかにかかったことがなく、ワクチン接種がお済でない方は速やかに接種していただくことをお勧めします。
(2024年4月8日更新)
はしかは、感染力の強いウイルス感染症で特効薬はありません
- 麻しんウイルスに感染することによって発症する、重篤な感染症です
- 潜伏期間は、7~21日の範囲です
- 感染力は非常に強く、空気感染が主な感染経路です
- 特効薬はなく、治療は基本的に対処療法(病気の症状をやわらげる)を行うしかありません
- 重い合併症を引き起こすと、生命に危険がおよぶ場合もあります
症状は、発熱、咳・鼻水、全身の発疹
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38度以上の発熱、咳・鼻水などの気道症状、結膜炎(目の充血、めやに・涙)に続き、口内の頬粘膜にできる白い斑点(コプリック斑)や全身の発疹が出現します
- 下がりかけた熱がぶり返すころに、赤い発疹が出ます。発疹は顔面から出始め、身体全体に広がっていき、その後褐色の色素沈着がしばらく残ります
- 通常7~10日間程度で症状は徐々に回復します
- 合併症として、肺炎、脳炎、中耳炎、クループ(のどの奥が感染により腫れてしまうことで、声がかすれたり、息を吸うときにヒューヒューと音がしたりすること)などがあります
- 重症な肺炎では、呼吸困難で集中治療室に入院したり、発症1,000人に1~2人の頻度で生じる急性脳炎では、生命に危険が及んだり後遺症を残すこともあります
はしかの患者さん1人で、12~18人の免疫のない方々に空気感染させます
- 「接触感染」「飛沫感染」だけでなく、「空気感染」で広がっていきます
- 「接触感染」はウイルスが付着した手を介して広がり、「飛沫感染」は咳やくしゃみで飛散したウイルスを含む飛沫で感染が広がります
- 「空気感染」では、集団の場で1人の発症があった場合、同じ空間にいる免疫のない方は、発症する可能性が非常に高いです
- ウイルスは、浮遊中や物質の表面で最大2時間の活性があり、感染力を持ちます
- 発症した患者さんでは、発疹の出る4日前から発疹出現の4日後まで感染力があると言われています
特効薬はなく、ワクチンが最も有効な予防法です
はしかにかからないため、また流行を抑えるためには、2回のワクチン接種が最も重要です。
【ワクチンの優先順位について】
日本小児科学会では、下記方々を特に優先順位が高いとしています。
(出展:日本小児科学会 乾燥弱毒生麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種率の現状と課題について)
- 1歳児
- 5歳以上7歳未満で、小学校入学前1年間の幼児
- 2歳以上で未接種、未罹患の小児
- 麻疹患者と空間を共有したり、同じ保育所・幼稚園・学校・塾・職場などで麻疹患者の発生があった未接種、未罹患、1回接種、接種歴罹患歴不明の人
- 海外渡航前で未接種、未罹患、1回接種、接種歴罹患歴不明の人
お子さん
現在、日本では1歳になったらすぐに1回目のワクチン接種を行い、2回目を小学校入学前の1年間(年長児)に接種する定期接種を行っており、接種することを強く推奨します。生ワクチンになりますので、病状や服薬内容によっては接種ができない可能性があります。接種をお考えの方は事前に主治医にご相談下さい。
日本小児科学会は、2回の定期接種を完了していない方に対しても、ワクチン接種(任意接種)を推奨しています
また、ワクチン未接種の方がはしか患者と接触があった場合には、発症の阻止、あるいは症状の軽減を期待し、ワクチンの緊急接種を行うこともあります。
大人の方
今までにはしかにかかったことのない大人の方は、小さいころの予防接種記録をご確認いただくか、近くの医療機関での抗体価検査をご検討ください。
特に、妊婦さんは確認しておくと安心です。当センターに通院中の妊婦さんは、妊娠初期にはしかの抗体検査をしておりますので、気になる方は外来担当医に聞いてください。
はしかのワクチンは生ワクチンですので妊婦さんには接種できません。パートナーやご家族で、ワクチン接種歴のない方や抗体価が不十分な方はワクチン接種を行い、妊婦さんや赤ちゃんを家庭内感染から守りましょう。
幼児や免疫不全のお子さん、妊婦さんは、重症化に注意!
- 幼児、免疫不全などの基礎疾患のあるお子さん、妊婦さんは重症化に注意が必要です
- 妊婦さんが感染すると、重症化だけではなく、流産や早産を起こす可能性もあります
医療機関の受診前に、必ず連絡を
特にワクチン接種を2回完了していない方で、発熱、結膜炎、気道症状に続き赤い発疹が出た場合は、はしかが疑われます。
医療機関を受診する際には、受診先の医療機関に連絡し、「症状」や「はしかの疑い」をあらかじめお伝えください。