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Image Gently 小児CTプロトコルの開発 2014年版(和訳)
緒言
2001年に放射線学に関するいくつかの科学論文で、成人のCTプロトコルを小児患者に用いると最年少の小児への推定放射線量が成人の場合の最大3倍になると指摘したところ、メディアから多くの注目が集まりました [1-3]。その頃から、CT検査を受ける小児の低線量プロトコルに関する論文が発表されてきています[4-17]。しかしながら、これらのプロトコルはスキャナーのモデルが限られていることもあり、特定の製造業者や製造モデルに特異的で、一般的に類似したCTスキャナー間で共有できるものではありません。事実、これらのプロトコルは、同じ製造業者のCTスキャナー間であっても、ソフトウェアが改訂され、異なっていれば共有できない場合もあります。2012年以降、米国医学物理学会(AAPM)は公式ホームページにて、幅広い製造業者やモデルのスキャナーについて、それぞれに特化した日常的な成人用プロトコルを発表しています。このグループは現在、ホームページに小児用のプロトコルを追加している段階です。
小児用CTプロトコルに関する数少ない情報を扱うため、2008年Image Gentlyはこのホームページにて、小児用のCTプロトコルを開発するか、もしくは各診療科で現在使用している小児用プロトコルがスキャナーの製造業者やモデルに関わらず適切かどうか検証する提案を公表しました。提出された文書には、マニュアル技術にのみ適用可能な技術的パラメータが示唆されていました。どのスキャナーの製造会社やモデルについても、この手引きでは、患者年齢を関数として管電流とローテーションタイムの積(mAs:管電流時間積)の変化を示唆しており、腹部や胸部、頭部の撮影には推奨事項が提示されていました。
しかしながら、これらの推奨事項は、管電流自動モジュレーション(Auto mA, automatic exposure control; AEC)や低管電圧(kV)法、逐次近似画像再構成法を用いて小児をスキャンすることについて情報を提供していませんでした。したがって、2008年のプロトコル手引きは現在、「2014年Image Gently小児用CTプロトコル開発」というタイトルの文書に置き換えられており、その中で2008年以降に追加されたCTスキャナーの革新的特徴が付け加えられています。
CTの放射線量が減少すると量子モトルやCT画像の背景「ノイズ」が増加します。量子モトルの増加は高コントラストの画像クオリティーよりも低コントラストの画像クオリティーに影響を及ぼすため、低コントラスト画像の放射線量低減には限界があると考えられています。例えば、軟部組織の識別(低コントラスト)では、骨の細部や肺実質(高コントラスト)を診断する場合よりもノイズが低くなければなりません。放射線科医は、患者の被ばく量を減らすためにCTの技術的係数を変更する場合は、画像のクオリティーが下がらないよう常に診療科の「資格を有する医学物理士(QMP)」と密接に協力しあうべきです[18,19]。成人用でも特定の体格の小児患者用であっても、数多くの販売業者のCTスキャナーに使用できる普遍的なCT技術というものは存在しません。
デザインやコンフィギュレーション、ソフトウェア改訂が同一でない限り、一つのスキャナーのプロトコルが他のスキャナーにも流用できるというわけではありません。CTスキャナーのデザイン(線量補償フィルターや焦点-検出器間距離、検出器効率)が異なると、技術的係数(kV、mAs、ピッチ)のみで患者の被ばく量を推定することも不可能になります。また、CT撮影のプロトコルは撮影する身体部位の厚みに基づく必要があります。患者の身体の厚みと年齢や体重との相関性は乏しいことから、体重や年齢に基づいたプロトコルでは放射線画像技術の開発により大きなばらつきが生じてしまいます[20]。
放射線科医や診療放射線技師、医学物理士(QMP)はこのウェブ文書以外のCT撮影時の患者の放射線量についての詳細な情報や追加情報にも目を通すことが奨励されています。「Dose Indices:Everybody Wants a Number(線量指標:数を求めない者はいない)」では、CTDI、DLP、実効線量、SSDEについて定義し説明しています[21]。CT撮影時に毎回表示される「CTDI vol」は患者の線量ではなく、またそのように意図されたものでもありません。SSDE (Size Specific Dose Estimate)がどのように (CTDIvolが提示していると誤解されている) 患者の推定線量を提示するかという例を結論で示しています[22]。
CTの線量指標について読み手がより深く説明を知りたいという場合は、AAPMタスクグループレポート番号96「The Measurement, Reporting and Management of Radiation Dose in CT(CT放射線量の測定、報告、および管理)」の詳細情報が秀逸です[23]。CT患者の線量について基本的理解が得られてしまえば、「Developing Patient-Specific Dose Protocols for a CT scanner and Exam Using Diagnostic Reference Levels(CTスキャナーおよび診断参考レベルを用いた検査に関する患者別線量プロトコルの作成)」の内容が、どのCTスキャナーについても小児用CTプロトコルの作成を支援する線量指標の適用であることの理解に役立ちます[24]。
目的
現在のプロトコルの目標は、CTスキャナーの製造業者やモデルに関わらず新生児から成人までのあらゆるサイズの患者について、線量レベルをうまく管理しながら質の高い診断画像を提供するため、どのように技術設定すべきかのガイダンスを示すことです。
このプロセスは、CTスキャナーが一台しかない診療科では比較的単純といえます。しかし、大きな診療科の放射線科医やCT技師は、診療科内の医学物理士の助言を受けながらこれらのステップを慎重に踏み、同じサイズの患者のSSDEをマッチングさせることで複数のCTスキャナーで同様の画像クオリティーを得ることができます。これらの個々のステップについて本稿の情報以上のものを求められている医療用画像診断の専門家は、他所のより詳細な情報をご参照されることが望まれます。小児のサイズ別プロトコルを作成するにあたり必要となる基本的目的を以下に簡潔にまとめます。
- 診療科の主要なCTスキャナーについて、成人サイズの患者に許容可能なスキャンのパラメータ、CTDIvol、SSDEを設定する。
- 診療科のすべてのCTスキャナーの画像クオリティーを主要CTスキャナーのものと一致させる。
- 診療科のすべてのCTスキャナーについて、小児患者用の腹部および腹部・骨盤部診断参考レベル(DRL)ならびにスキャンパラメータを設定する。
- 診療科のすべてのCTスキャナーについて小児患者用の胸部DRLを設定する。
- 診療科のすべてのCTスキャナーについて小児患者用の頭部DRLを設定する。
- 逐次近似画像再構成法により、診療科のすべてのCTスキャナーについて小児用のDRLを設定する。
- 診療科のすべてのCTスキャナーについて低管電圧(kV)法を設定する。
- AEC(Automatic Exposure Control:自動被ばく制御)を用いてCTスキャナーのDRLを確立させる。
放射線科医や技師の中には、上記8つのタスクが多すぎると感じる方もいると思われます。その場合は、診療科の医学物理士に助言を求め上述の参考資料を一読することをお勧めします。DRLの概念に馴染みがない場合は、他所で追加情報を得ることも可能です[25]。
基本的な選択がいくつか必要です。上述のAAPMのホームページで、貴科で使用できる小児CT用技法の詳細情報が記載されています。もし該当するものがない場合は、貴科で使用するスキャナーに適切なDRLを作成する必要があります。
小児患者を時々検査することがある場合は、小児用DRLを作成し、小児患者が訪れた際に必要なDRLが得られるよう技師に調整してもらう選択をしてもよいでしょう。毎日または毎週、小児患者を検査するような場合は、小児用に使用するCTスキャンについて詳細な小児用技法チャートを作成することもできます。いずれの方法をとるにしても貴科の医学物理士に連絡し助言と支援を仰ぐことを強く推奨します。参考文書に説明されている原則の適用について医学物理士は使用者を支援することができるはずです[24,26]。医学物理士が放射線技師の任に就いている場合は、診療科で実際に用いられているCTスキャナーの特徴を理解する上でCT技師の支援が必要となる場合があります。
手順
A. 主要CTスキャナーの成人患者用のスキャンのパラメーター、CTDIvol、SSDEを設定
- 診療科の主要スキャナーについて、成人サイズの腹部および頭部検査の標準推定線量の設定に必要なすべての測定線量データとスキャンのパラメータが診療科内で入手できるようにします。これらは診療科の医学物理士が年一回スキャナーの認証登録を維持するために測定されているはずです。
- 頭部および腹部のCTDIファントムのCTDIvol測定値が認証機関の公表するDRLの制限値以下であることを確認します。例えば、米国放射線科医学会が公表したCTDIvolのDRLは使用可能なDRLのソースの一つです[27,28]。
- SSDEを算出する。
- この第一ステップではベースラインのスキャンパラメータを以下のように設定
- 診療科の主要CTスキャナー特有のデザインに適切
- 診療科の放射線科医による成人サイズの頭部および腹部CT検査画像におけるノイズの忍容性(量子モトル)に適切
B. すべてのCTスキャナーの画像クオリティーを、主要CTスキャナーのものと一致させる
- 診療科で複数のCTスキャナーを使用している場合、どのスキャナーを用いても特定の検査タイプについて特定のサイズの患者の画像クオリティーが同様となるようにします。
- 診療科のすべてのスキャナーについて患者に対する放射線量を一致させることでこれらのスキャナー間で同様の画像クオリティーが得られるという保証はありませんが、第一段階として良いスタートです。診療科のスキャナーのデザインが顕著に異なっていなければ、スキャナーの数が限られている場合、画像クオリティーは同等となるでしょう。
- 特定のサイズの患者について放射線量を一致させることは、各CTスキャナーで使用するスキャンのパラメータが類似するようになるという意味ではありません。様々な販売業者のCTスキャナーの固有デザイン特性、もしくは、同一の販売業者による異なるモデルのCTスキャナーの固有デザイン特性にさえ依存します。
- ユーザーは異なる2台のCTスキャナーについて管電圧とローテーションタイムの積(mAs)を単純に比較することで患者線量の差を正確に推定することはできません。
- すべてのスキャナーについて患者の放射線量を一致させた後、放射線科医や放射線技師、医学物理士はチームとして協力し、同様の画像クオリティーが得られていることを確認しなければなりません。医学物理士は低コントラスト解析度の評価に適切なファントム画像を得るようにします。ファントム画像が許容可能であることを前提に、放射線科医は低コントラスト解析度や量子モトルのレベルが許容可能であることを評価するため最初の臨床画像を慎重に評価すべきです。
C. すべてのCTスキャナーについて小児腹部参考レベルとスキャンパラメーターを設定
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推奨事項は一般的な検査の適応に対するものとします。
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表1は2008年版のウェブ上のプロトコルのデータよりも多くのデータを含む。
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カラム5:2008年版で使用したものと同じ年齢群
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カラム1および2:特定の年齢の患者の平均APおよびLAT厚[20]
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カラム3:APおよびLAT面から算出した有効径[22]
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カラム4:患者の質量[29]
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カラム6-8:患者のサイズを係数とする線量低減係数
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カラム6:2008年版プロトコルと同一。小児患者の線量~成人の線量
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カラム8:新生児患者の線量は成人患者の線量の半分[30]
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カラム7:新生児患者の線量は成人患者の線量の75%
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カラム9-11:カラム6-8で用いた線量低減係数と対応する小児患者のSSDE
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カラム12-14:患者サイズの関数として使用する推定mAs値(青色)および標準サイズの成人患者の撮影に必要なmAsに関連して選択した低減の程度(6-8)。
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操作者はプロトコルを選択する際に患者の年齢や体重ではなく、撮影する身体部位のサイズ(㎝)または厚みを使用することを奨励されます。
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表1の数値は、ダウンロード可能なエクセルシートの緑色枠内にデータが入力された際に自動的に挿入される:mA、ローテーションタイム、上述したステップAで求めた成人SSDE、臨床検査時のピッチ。
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表内のすべての補正率は120kVのみに適用される。ユーザーはダウンロード可能なシートのkV値を変更することはできない。
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QMPはCTDIvolを1のピッチで算出すべきであった。この値も表中に固定する。
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臨床検査時にピッチを0.1以外の数値に変更することで臨床検査のSSDEは変化しない。むしろ、対象患者の被ばく量をSSDEとして表示できるよう最後の3カラムのmAs値が変化する。
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管電圧120kV、管電流200mA、ピッチ1、SSDE23mGyを用いた成人標準腹部スキャンの設定例
D. すべてのCTスキャナーについて小児胸部DRLを設定
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胸部のX線減衰量は肺野部に空気があるため腹部と比較してさほど顕著ではない。
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腹部と比較し胸部の技術的係数は患者の線量増加を避けるよう修正すべきである。
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例えば、技術的係数を20%低減させる。
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管電圧(mA)またはローテーションタイムは20%低減させ、表1の2列目の5か6番目のカラムに入力する。
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上述の減少で成人SSDEを20%低減させる。その値を表1の2列目の9番目のカラムに入力する。 3つの低減モデル(カラム6-8)について、低減した「mAs」(青色、カラム12-14)およびSSDE値を表上で算出する(表2参照)。
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「過度(Aggressive)」の線量低減係数は肺野には大きすぎる可能性がある。小児の画像クオリティーが胸部CT画像として不十分な場合、「適度(moderate)」の係数を代わりに用いる [30]。
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上述のCと同様に、表の数値は、ダウンロード可能なエクセルシートの緑色枠内にデータが入力された際に自動的に挿入される:mA、ローテーションタイム、上述Aで求めた成人SSDE、臨床検査時のピッチ。
- ユーザーはダウンロード可能なシートのkV値を変更することはできない。
- QMPはCTDIvolを1のピッチで算出すべきであった。この値も表中に固定する。
- 臨床検査時にピッチを0.1以外の数値に変更することで臨床検査のSSDEは変化しない。むしろ、対象患者の被ばく量をSSDEとして表示できるよう最後の3カラムのmAs値が変化する。
管電圧120kV、管電流160mA、ピッチ1、SSDE18mGyを用いた成人標準胸部スキャンの設定例
E. すべてのCTスキャナーについて小児頭部DRLを設定
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表3は表1と類似している。
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表3の最初の5つのカラムは表1と同一。
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カラム5:5歳児の頭部は成人の約90%のサイズであるため患者のサイズは5つのみ使用。
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カラム6-7:患者サイズを係数とする線量低減係数
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カラム6:2008年版プロトコルと同一。小児患者の線量~成人の線量
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カラム7:1歳の患者の線量は成人患者の頭部線量のおよそ半分。データ不足により集中的な低減モデルは不在[24]。
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低減したmAs値はカラム12-14に青色で示す。
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操作者には小児患者の年齢ではなく、サイズを特定することが奨励される。
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SSDEは患者の胸部、腹部、骨盤部についてのみ求め、頭部は求めない。
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上述のCと同様に、データはダウンロード可能なエクセルシートの緑色枠内に入力する。臨床検査時にピッチを1.0以外の値に変更すると求められるmAsは変わるが、対象となるSSDEは変更されないまま。
管電圧120kV、管電流340mA、ピッチ1を用いた成人標準頭部スキャンの設定例
F. すべてのCTスキャナーについて逐次近似画像再構成法による小児DRLを設定
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小児において逐次近似画像再構成法による線量削減をもたらす技法を求めるには、表1および3aの線量低減技術表を用いるのが最善である。例えば、逐次近似画像再構成法を使用する場合、線量を30%低減すると許容できる診断CT画像が得られると仮定する。
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管電圧(mA)またはローテーションタイムを20%低減させ、表1または3の2列目の5番目か6番目のカラムに入力する。
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上述の減少で成人SSDEを30%低減させる。その値を表1の2列目の9番目のカラムに入力する。3つの低減モデル(カラム6-8)について、低減した「mAs」(カラム12-14)およびSSDE値を表上で算出する(表1参照)。
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「過度(Aggressive)」の線量減少係数は逐次近似画像再構成法を用いる場合には大きすぎる可能性があります。小児の画像クオリティーが不十分の場合、「適度(moderate)」の係数を代わりに用いる [30]。
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上述のCと同様に、データはダウンロード可能なエクセルシートの緑色枠内に入力する。臨床検査時にピッチを1.0以外の値に変更すると求められるmAsは変わるが、対象となるSSDEは変更されないまま。
管電圧120kV、管電流140mA、ピッチ1、SSDE16mGyを用いた成人標準胸部スキャンの設定例
G. すべてのCTスキャナーについて低管電圧(kV)法を設定
- 電圧低下は各光量子により運ばれるエネルギーを低減させるが、それにより光線透過量は減少、画像の量子モトルは増加し、その他のスキャンパラメータを補正しなければ患者の線量は少なくなります[31]。
- 電圧の変化による放射線量および量子モトルの変化量は、管電圧の変化と反対方向にmAを変更することで低減される可能性です[32]。
- 電圧の選択は画像の被写体コントラストの必要性に基づいて行います[33-36]。
- 適切な上記項目の方法を用いて、120kVpでの適切なmAs低減を特定します。電圧(kV)を低減し、
- 画像のコントラストを改善し、元の放射線量を維持するためmAsを増加させる。
- 放射線量をいくらか低減し、元の画像のクオリティを維持するため、mAsをやや控えめに増加させる(コントラスト・ノイズ比:CNR)。
H. AEC(Automatic Exposure Control:自動被ばく制御)を用いてCTスキャナーのDRLを確立
- CT操作者は以下の調整法を心得ていなければならない。
- 管電圧、ローテーションタイム、マニュアルモードのピッチ、または
- 患者のサイズとCT検査のタイプを係数として、患者に診療科の標準DRL線量を届けるための、自動モデル画像で望ましい量子モトルのレベル
まとめ
アライアンスは上述のような小児用CTの線量削減について、他施設で現在行われているものよりも程度が低い可能性があることを認識しています。現在、小児用プロトコルで使用しているmAs値が上述のプロトコルで得られる値よりも低い場合は、その削減の実施を推奨し、現時点のプログラムの継続を奨励します。
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