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胎盤がはがれる、常位胎盤早期剥離について
常位胎盤早期剥離って、何??
どうして起こるの?
母体の高血圧、妊娠高血圧症候群、前期破水、喫煙などが関連するという説がありますが、原因ははっきりと分かっていません。妊娠32週以降に起こることが多いと言われ、いつでも、誰にでも起こる可能性があります。
どのくらいの頻度で起こるの?
100~200分娩に1例程度の頻度で起こります。死産となるような重症例は、500~750分娩に1例ほどです。
赤ちゃんはどうなるの?
胎盤が子宮からはがれると、赤ちゃんへの酸素と栄養の供給路が絶たれてしまい、赤ちゃんは危険な状態になります。常位胎盤早期剥離になると、25~30%の赤ちゃんは亡くなってしまうとされていて、全周産期死亡(死産と早期新生児死亡)から見ても、約20%を占めています。
母体はどうなるの?
妊娠中に胎盤がはがれると、母体にとっても大量出血や止血異常など、高いリスクがあります。妊産婦死亡の主要な原因のひとつでもあり、母児両者にとって命に係わる重大な病気です。
常位胎盤早期剥離の症状や対応について
はがれた胎盤からの出血は、量が多い時も少ない時もあります。腹痛は、陣痛と違って、痛みが持続することが特徴です。これらの症状は、すべて出ることもあれば、ないこともあります。
腹痛が続くような時は病院へ!
腹痛が続く時は、病院へ行き分娩監視装置で胎児の心拍をモニタリンクしながら、子宮収縮が頻繁に起こっていないか、胎盤機能不全が起こっていないかを確認します。常位胎盤早期剥離は確定診断がとても難しいので、病気を疑って細心の注意を払って観察していきます。
一度はがれかけてしまった胎盤は、元に戻りません。
一度はがれかけてしまった胎盤は元に戻ることはないので、治療としては帝王切開で赤ちゃんを取り出し、できる限り早く妊娠を終わらせることになります。
一刻を争うような事態もありますが、はがれ方が軽度かつ、赤ちゃんの心拍が正常で、短時間の分娩終了が予測できる場合には、分娩の経過を見守ることもあります。
止まらない出血やショック症状に注意!
子宮内で大量出血すると、止血する成分がなくなって出血が止まらなくなる「DIC」という状態や、ショック症状が起こります。その場合、輸血が必要で、帝王切開も通常よりもリスクが高くなります。
赤ちゃんが無事に生まれ、胎盤を取り出した後も、弛緩出血が起こりやすくなっています。
3つのチェックポイント!
万一、胎盤がはがれてしまっても、素早い対応でリスクを減らせることができます。妊娠中期をすぎたら、下の3つのチェック項目を確認してみてください。1つでも当てはまれば病院へ相談を!
- 腹痛がずっと続いている
- 少量ではない出血
- 赤ちゃんの動きが感じられない
国立成育医療研究センターでの出産について
国立成育医療研究センターは、ハイリスクな方も、そうでない方も、すべての妊婦さんにご出産いただけます。
周産期の診療科は、産科、胎児診療科、不育診療科・妊娠免疫科、新生児科、産科麻酔科、母性内科、不妊診療科、周産期歯科があります。また、新生児集中治療室(NICU)を備える小児の総合病院でもあるため、出産後すぐの治療が必要な場合も、対応できます。
産科麻酔科では、医師が365日24時間無痛分娩に対応し、赤ちゃんの生まれるタイミングで安心して分娩に臨めます。
また、手ぶらで入院やお祝いディナー、里帰り出産、また上のお子さんの立会い出産にも対応していますので、ぜひ当センターでの出産をご検討ください。
初診の予約方法
患者さんご自身で予約センターへご連絡いただき、予約をお取りください。
早めの受診が必要な場合
医師の診断により早めの受診が必要な場合には、現在の主治医から医療連携室へご連絡をお願い致します。