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前置胎盤について
前置胎盤って、なに??
どうして前置胎盤になるの?
受精の際に、受精卵が正常な位置よりも下の方に着床することが原因で起こります。妊娠回数が多いこと、過去に帝王切開を行ったことがあること、多胎妊娠などが、関連しているのではないかと言われています。約200分の1の確率で起こります。
前置胎盤の種類は?
前置胎盤は、赤ちゃんの出口(子宮口)にどのくらい胎盤がかかっているのかで、分類されます。
- 全前置胎盤:子宮口を胎盤が完全に覆っている状態。大出血しやすく、母体へのリスクも高まります。
- 部分前置胎盤:子宮口の一部を胎盤が覆っている状態。
- 辺縁前置胎盤:胎盤の端が、子宮口の端に達している状態。
- 低前置胎盤:胎盤の端が、子宮口の出口ちかくまで来ている状態。胎盤の端から、赤ちゃんの出口までの距離が2センチ以内なら帝王切開をおすすめします。
どんな検査をするの?
妊娠30週以降に、超音波検査によって診断します。また、診断後にMRI検査を行うこともあります。妊娠初期に胎盤が子宮の出口に近い場所に見えることもありますが、子宮が大きくなるにつれて位置関係が変わるため、妊娠後期にならないと判別がつきません。
前置胎盤のリスクは??
どうして出血するの?
妊娠後期になると、子宮が大きくなって胎盤が子宮の壁からはがれてしまうため、突然出血することがあります。その場合は、必ず病院へ行きましょう。出血量によっては、入院安静の上、経過観察になります。 また、出産の時も要注意です。通常胎盤が子宮からはがれた後は、子宮が縮まる力で出血が止まりますが、赤ちゃんの出口に近い部分は、この縮まる力が弱いため、出血が止まりにくくなります(弛緩出血)。 「帝王切開だから安全」と言い切れないのが、前置胎盤の怖さです。
出産の前にできることは?
前置胎盤と診断されたら、大量出血に備えて自分の血液を保管する「自己血貯血」を行います。また、術前検査や麻酔科の受診などの準備をして、分娩に備えます。予定日に近くなるほど手術前に陣痛が始まったり、お腹が張りやすくなって出血のリスクが高まるので、帝王切開の日は早めの設定をします。
前置胎盤は、入院が長くなるの?
自分の血や献血者からの血を輸血したとしても、通常の帝王切開の出産とほとんど変わりません(帝王切開では、普通分娩より2日長い、8日間の入院です)。入院生活、退院後の生活の同様です。ただし、献血者からの輸血を行った場合のみ、数か月後に感染症の検査などを行います。
国立成育医療研究センターでの出産について
国立成育医療研究センターは、ハイリスクな方も、そうでない方も、すべての妊婦さんにご出産いただけます。
周産期の診療科は、産科、胎児診療科、不育診療科・妊娠免疫科、新生児科、産科麻酔科、母性内科、不妊診療科、周産期歯科があります。また、新生児集中治療室(NICU)を備える小児の総合病院でもあるため、出産後すぐの治療が必要な場合も、対応できます。
産科麻酔科では、医師が365日24時間無痛分娩に対応し、赤ちゃんの生まれるタイミングで安心して分娩に臨めます。
また、手ぶらで入院やお祝いディナー、里帰り出産、また上のお子さんの立会い出産にも対応していますので、ぜひ当センターでの出産をご検討ください。
初診の予約方法
患者さんご自身で予約センターへご連絡いただき、予約をお取りください。
早めの受診が必要な場合
医師の診断により早めの受診が必要な場合には、現在の主治医から医療連携室へご連絡をお願い致します。