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正しい手洗い(手指衛生)の方法

細菌やウイルスにかかること(感染症)から自分を守るためには、手洗い(手指衛生)はとても重要です。この手洗いには、適切なタイミング、適切な方法で手洗いをする必要があるのを知っていますか?このページでは、「適切な手洗い」について解説します。

適切な手洗いとは??

①手洗いのタイミング

細菌やウイルスは、感染症にかかっている人の手のひらや、その人が触ったドアノブ、手すり、テーブルなどについていることがあります。こういった場所を触って、自分の手のひらや指に細菌やウイルスがくっついている状態で、自分の目、鼻、口などの粘膜を触ってしまうことで感染してしまう可能性があります。そのため、これらのものを触った後が手洗いをする「タイミング」です!
お子さんの場合こまめに手洗いをするのは難しいことが多いと思いますので、外から帰ってきた時、ごはんを食べる前、トイレの後に手を洗うのを習慣にするとよいでしょう。

②正しい手洗いの方法

ハンドソープでも、アルコールでも、手のひらだけでなく手の甲や指の間、爪の先までしっかりと洗うことが大切です。きちんと手洗いをしようと思うと、15秒程度はかかります(ご自身やお子さんが何秒くらい手洗いにかけているか、一度測ってみて下さい)。石鹸による手洗いと、アルコールによる手洗いの正しいやり方を記載しますので、是非参考にしてみて下さい。



ハンドソープによる手洗い

手洗いの仕方の画像

★ハンドソープをつけてから水で流すまでに、15秒以上こすりあわせましょう!



速乾性手指消毒剤による手洗い

アルコール消毒の仕方の画像

★適量の消毒剤をしっかり擦り込むと15秒以上かかります!

手洗いのQ&A

Q:ハンドソープとアルコール、どちらがいいの?

ハンドソープと流水を使った手洗いと、アルコール手指消毒薬を使った手洗いの、どちらがよいのでしょうか?と聞かれることがあります。
「目に見える汚れが手についている時」と、「胃腸炎のウイルスが手についている可能性がある時(下痢のこどもの世話をしている時など)」は、石鹸と流水を用いた手洗いを行ってください。
目に見える汚れがあると、アルコールが十分手や指に浸透せず、充分な効果が発揮できないことがあったり、胃腸炎を起こすウイルスの中にはアルコールが効きにくいウイルスがあるためです。それ以外の状況であれば、基本的にはどちらの方法でも大丈夫です。

Q:流水だけの手洗いも、効果はありますか?

流水だけの手洗いでも物理的に細菌やウイルスを流して減らすことができるので、ある程度の効果は期待できます。しかし、ある研究では、流水だけの15秒の手洗いでウイルス量が元の約1/100になったのに対して、石鹸やハンドソープで10秒のもみ洗い後に流水で15秒すすいだ場合はウイルス量が元の約1/1,000~1/10,000になったと報告がされているように1)流水だけよりも、石鹸やハンドソープを使ったほうがより高い効果が期待できます。

Q:爪が伸びているとダメですか?

爪が伸びていると、そこに汚れがたまりやすくなり、細菌が増えやすくなります2)。またアルコール手指消毒剤も浸透しにくくなるため、その効果が落ちることも知られています3)。そのため、爪は伸ばしすぎず、適切な短さを保つことをお勧めします。

Q:手を洗った後のタオルは、家族で共有してても大丈夫ですか?毎回新しいタオルがいいですか?

できれば家族それぞれのタオルを用意していただき、それを1日1回くらいの頻度で定期的に交換していただくのが理想です。最近はご家庭でもペーパータオルを使用されてる方もいますので、そちらを検討してもよいと思います。特に、家族の誰かが胃腸炎や風邪など、何らかの感染症にかかっている時にはタオルの共有は避けて下さい。

【参考文献】
1. 森功次ら:感染症学雑誌. 2006;80:496-500
2. Hardy JM et al. Vet Surg. 2017;46:952-961.
3. 岡山加奈ら:環境感染誌. 2011;26:269-277

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