放射線治療科
お知らせ
基本情報
放射線治療科は小児がんの患者さんを中心に放射線治療を行っています。子どもたちが安心して、快適に治療が受けられる環境を整え、患者さんの年齢などを考慮した治療や治療の導入を行っています。放射線治療医、診療放射線技師、物理士、品質管理士、看護師といった専属のスタッフに加え、小児科医、麻酔科医、チャイルドライフスペシャリストのサポートを得て、すべての患者さんに最適な治療を提供しています。
診療内容・業務内容
小児がん全般の放射線治療を行っています。髄芽腫、胚細胞腫、神経膠腫、上衣腫といった脳腫瘍や横紋筋肉腫、ユーイング腫瘍、神経芽腫などの脳以外の固形腫瘍に対し、放射線治療を行っています。白血病や血液疾患に行う骨髄移植の前処置である全身照射を行っています。小児がんのほかに、成人の乳がんなどの外来通院の放射線治療も行い、地域のがん診療にも貢献しています。
放射線治療をうける患者さんや家族は不安を抱えていたり、治療の場になじみにくかったりすることがあります。当センターでは患者さんや家族の不安を取り除き、受け入れやすくするために、複数回、面談をします。他の施設で診療を受けている患者さんや家族が安心して、適切な治療を受けることができるように、放射線治療や副作用に関するセカンドオピニオン外来(来院・オンライン)を行っています。
国立成育医療研究センターの放射線治療
小児がんの放射線治療や当センターの放射線治療の特徴、放射線治療を受ける患者さんを支えるサービスに関する情報を紹介しています。
放射線治療をうけるお子さんとご家族への情報提供
放射線治療に対する不安を減らし、円滑に治療をすすめるためには、担当する放射線治療医と話しをして、それぞれの患者さんの治療の目標や治療内容を理解することが重要です。また小児がんの放射線治療に関する一般的な知識を得ておくことも必要です。当センターでは、小児がんの放射線治療に関する読みものを用意しています。
放射線治療をうけるお子さんと家族のために(パンフレット)
低年齢児の安全な放射線治療のサポート
動かないようにすることが難しい子どもでは、麻酔をしながら治療をすることがあります。治療室には麻酔装置が整備されており、治療中も生体モニターを観察することができます。小児の麻酔に熟練した麻酔科医が放射線治療の麻酔を担当します。チャイルドライフスペシャリストによる治療の練習(プレパレーション)も積極的に行っており、低年齢でも麻酔を用いずに治療することもあります。
先進的な放射線治療の提供
国立成育医療研究センターでは画像誘導放射線治療、強度変調放射線治療、定位放射線治療といった高精度の放射線治療を行っています。放射線治療による副作用を減らすためには、高精度の治療は欠くことはできません。これらの高度な治療を支援する物理士、品質管理士が所属しています。陽子線治療実施施設とも連携し、紹介する仕組みも整えています。
乳がんの外来放射線治療
乳がんの放射線治療では、16-30回の通院が身体や日常生活の負担になることがあります。当センターでは、世田谷区周辺の方に身近で、負担の少ない治療を提供するために、都内や神奈川県内の乳がん診療施設からの放射線治療の紹介を受けて、乳がんの外来放射線治療を行っています。
外来放射線治療の予約は受診中の病院から予約する方法と患者さんご自身が予約する方法があります。
乳がん放射線治療の流れ
診療実績
| 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|
脳腫瘍 | 13 | 22 | 20 |
神経芽腫 | 19 | 7 | 10 |
白血病血液疾患 | 17 | 16 | 10 |
リンパ腫 | 3 | 0 | 2 |
肉腫 | 3 | 2 | 3 |
腎腫瘍 | 2 | 1 | 0 |
その他 | 5 | 1 | 0 |
成人がん | 6 | 5 | 8 |
合計 | 68 | 54 | 53 |
2021年9月1日より、診療実績を新規患者数から総患者数に変更しています。
受診方法
小児がんの治療の適応や方針は小児科医、外科と連携して判断するため、放射線治療科の受診のみで、治療の適応を決めたり、治療を開始することはありません。当センターでの放射線治療の希望がある場合は、小児がんセンターの診察の予約をお願いします。
セカンドオピニオンについて
小児がん治療を行っている患者さんや家族が安心して、適切な放射線治療を受けることができるように、放射線治療や副作用に関するセカンドオピニオンを行っています。すでに放射線治療を行った患者さんの副作用に関するセカンドオピニオンも行っています。小児がんセンターなど、他の診療科のセカンドオピニオンと合わせて、予約することも可能ですので、希望される場合は、他の診療科の予約とともに、「放射線治療科のセカンドオピニオンを希望」と伝えてください。オンラインでのセカンドオピニオンも行っています。
乳がんの外来放射線治療の受診方法
乳がんの診療を行っている医療機関の担当医や医療連携の担当者が予約をされる場合は、医療連携室に連絡してください。患者さんご自身で予約される場合は、予約センターに連絡してください。受診時には診療情報提供書や主要な画像資料を持参してください。画像資料の入力や初診の手続きに30分ほど時間がかかることがありますので、予約時間より早めに来院することをお勧めします。
予約センター
03-5494-7300月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時
医療連携室
03-5495-5486月~金曜日(祝祭日を除く)8時30分〜16時30分
医療従事者の方へ
放射線治療科では、小児の放射線治療技術の向上のため、情報収集・発信に努めています。また、小児がんを対象とした全国的な臨床試験の支援を行っています。
医療従事者の施設見学や技術的課題に関する相談は、適時対応しています。
セカンドオピニオンについて
放射線治療だけではなく、化学療法および手術療法に関しても専門医のアドバイスを受けることができる環境が国立成育医療研究センターにはあります。
患者、あるいは放射線腫瘍医(放射線科治療医)からのご相談はいつでもお受けいたしますので、電子メールなどでご連絡ください。