腫瘍外科
基本情報
腫瘍外科は小児がんに対する外科的治療を専門的に行う部門として、2016年7月、小児がんセンター内に設置されました。当院の固形がん手術件数は全国トップレベルで、豊富な経験と知識に基づき最善の外科治療を提供できる体制を整えています。また、小児専門病院の強みとして、専門性の高い各診療科が連携して高度医療を提供しており、小児がんセンターの内科系診療科、放射線診断科、放射線治療科との連携による集学的治療に取り組んでいます。多くの手術は小児外科とのチームを編成して行います。この他、疾患により臓器移植センター、泌尿器科、心臓血管外科ほか、外科系診療科との密な連携をとり、幅広い領域にわたり標準的な治療から難易度の高い治療まで対応しています。
腫瘍外科のスタッフは日本随一のがん専門施設である国立がん研究センター中央病院の小児腫瘍外科を併任し、多くのお子さんの腫瘍の手術に携わっています。また、全国規模の小児がん治療研究グループである日本小児がん研究グループ(JCCG)でも、疾患委員・外科療法委員として中心的な立場で小児がんの治療研究を牽引しているほか、海外の治療研究グループの小児腫瘍医・小児腫瘍外科医とも常に意見交換を行い、つねに最新かつ質の高い医療を提供できることを目指しています。
診療内容
診療の特徴
- 他の施設にはない「小児がん手術に特化した」診療科です。小児がんは発見が難しく、がんの増殖も速いのですが、大人のがんに比べて化学療法や放射線治療に対する効果が極めて高いのも特徴です。このため、手術も大人のがんとは異なる考え方やアプローチで行う必要があります。当科では日本小児外科学会指導医(小児がん認定外科医)資格を有する専属スタッフが治療を担当します。
- セカンドオピニオン外来を設けています。小児がんの手術に関してわからないこと、決断に迷うことがあればいつでも気軽にご相談ください。
- わかりやすい説明を心がけ、お子さんとご家族に寄り添います。
小児がんの治療は複雑でお子さんやご家族に難解なことも少なくありません。手術も例外ではありません。また、お子さんとご家族にとって、がんの治療も手術も未知の経験であることが多く、なにかと不安が付きまといます。当科では患者さんの不安をできるだけ取り除けるよう、専門用語をできるだけ使わず平易な言葉で丁寧な説明を心がけています。
対象となる疾患
神経芽腫、小児肝腫瘍(肝芽腫、肝細胞がん、肝未分化肉腫、肝血管肉腫、ラブドイド腫瘍など)、小児腎腫瘍(ウィルムス腫瘍、腎細胞癌、ラブドイド腫瘍など)、ユーイング肉腫(骨外性)、横紋筋肉腫、その他の肉腫全般、胚細胞性腫瘍(精巣、卵巣、仙尾部、後腹膜、縦隔)、胸膜肺芽腫、甲状腺腫瘍、その他頸部・胸部・腹部に発生する固形がん全般に対する腫瘍摘出・生検などの外科治療を担当します。
また、転移性腫瘍(肺転移、リンパ節転移など)の切除も疾患によってはたいへん重要な治療です。
診療実績
| 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
悪性腫瘍手術(生検・摘出) | 24 | 58 | 62 |
受診方法
初診の方
初めて当センターを受診するためには、医療機関(医院、病院)からの紹介状が必要です。現在かかっている医療機関から医療連携室に連絡してもらってください。
医療連携室(直通)03-5494-5486 平日8時30分~16時30分
セカンドオピニオンについて
当院では多くの種類の小児がんに対応したセカンドオピニオン外来を開設しています。必要により複数の診療部門の専門医によるセカンドオピニオンの提示も可能です。
セカンドオピニオン外来のご案内
セカンドオピニオンは現在診療を受けている主治医以外の専門医から「第二の意見」を聞くものです。小児がんはしばしば致命的な病気であること、治療に伴うリスクが大きいこと、進歩の著しい医学領域であることなどから、複数の医療施設、あるいは医療者の意見を求めることはよりよい治療を選択する手助けになり得ます。小児がんの手術もその例外ではなく、疾患の特徴や悪性度によりリスクを伴う手術でも選択されるべき時もあれば、手術を回避した方が良策の場合もあります。迷うことがあればいつでも相談に来てください。
当センター医師によるセカンドオピニオンを希望される場合は、その旨を、必ず現在の主治医にお伝えして、主治医から診療情報を提供していただくようお願いいたします。また、他の医療機関の医師によるセカンドオピニオンについても、可能な範囲で情報提供をいたします。
セカンドオピニオン外来はこちらをご覧ください。
小児がん相談支援センター
小児がん相談員(ソーシャルワーカー)が窓口となり、医師や看護師と連携して小児がんに関連するさまざまな相談に応じております。患者家族以外の方からのご相談も受け付けております。
ご相談をご希望の方は病院代表(03-3416-0181)までご連絡ください。
スタッフ紹介
診療部長 | 医員 |
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米田 光宏(併) | 小野 賀功 |
医療従事者の方へ
小児がんに特化した小児外科=小児腫瘍外科が、当院と国立がん研究センター中央病院に新設されました。現在スタッフが併任で両施設の小児がん外科治療を手がけています。腫瘍性の病変がありましたら、良性・悪性にかかわらずご相談ください。
新規患者さんの紹介は医療連携室を通して小児がんセンターあてにお願いします。手術に関するコンサルテーションには個別に対応しています。当科スタッフあてお気軽にご連絡ください。