緩和ケア認定看護師
皆さんは「緩和ケア」という言葉にどのようなイメージを持たれているでしょうか。がん患者に行われるケアでしょうか?終末期のケアでしょうか?緩和ケアは成人のがん領域を中心に発展してきたケアですが、小児緩和ケアを必要とする子どもは小児がんや終末期の子どもだけでありません。「生命を制限する疾患とともに生きる子どもとご家族」を対象に、疾患の診断時から援助を行っています。
病とともに生きる子どもとそのご家族は、時に疾患や治療に伴う痛みや息苦しさなどの身体の苦痛や不安などの気持ちのつらさ、社会生活が思うようにできないことへの苦痛、さらには今までできていたことができなくなることや、生きる意味について思い悩むなどのスピリチュアルな苦痛など、様々な問題を抱えています。私たち緩和ケア認定看護師の役割は、それらの苦痛を多面的に捉え緩和していくことです。複雑なニーズに対応するためには医師や薬剤師・心理士・栄養士など多くの専門家の力が必要であり、緩和ケアチームの一員として多職種で協働しながらケアを提供しています。
また、子どもとご家族の意向や選択を大切にし、意思決定を支えていきます。希望や目標を共有しながら、その子らしいそのご家族らしい生活ができるよう活動しています。
さらに小児緩和ケアの重要性を広め、スタッフ教育や緩和ケアに関する相談を受けることも大切な役割です。