手術看護認定看護師
手術室では、胎児から新生児、小児、妊産婦に対し、年間5000件以上の手術を行なっています。手術の対象となる患者さんは、成長や発達段階も異なり、複数の疾患を有する場合もあります。手術看護認定看護師は、そのような複雑な背景を持つ患者さんを、身体的、心理的、社会的な側面から総合的に判断し、患者さんにとってより「安全」「安心」な手術を提供できるように手術室運営やスタッフ教育に関わっています。
手術室のスタッフは、体内遺物遺残防止や手術部位感染防止、スキントラブル予防、神経障害や深部静脈血栓予防などの一般的な手術に必要な知識を有しています。しかし、複雑な背景を持った患者さんが多い成育医療における手術看護は、一般的な知識だけでなく、患者さんそれぞれの背景を知るための細やかな情報収集や解剖整理の学習、発達段階の理解が必要です。そして、手術を受ける患者さん自身の頑張る力を引き出し、「手術」という大きなイベントを自分で乗り越えたという達成感や自己肯定感に繋がる機会にできるように関わります。
そのような関りのできるスタッフが増えるように、また、日々目覚ましく発展する手術医療の最新知識と技術をスタッフに伝えられるように、自らも研究や学会に参加し、手術看護の質の向上を図っています。