「プレコンセプションケアを考える会」が開催されました
10月7日に"若い男女の健康・次世代の健康を考える"をテーマに『プレコンセプションケアを考える会』が開催されました※。
第一部の特別講演では、公益社団法人日本医師会常任理事の道永麻里先生より、「日本医師会での若い世代の健康教育への取組と展望」についてお話しをいただきました。第二部のパネルディスカッションでは、「日本のプレコンセプションケア」について、8人の各分野の専門家に活発なご討議をいただき、日本でのプレコンセプションケアの定義案、および日本でプレコンセプションケアを広めることに賛同する個人や団体への提案を具体的に示すことができました。特に、日本で立ち遅れている「前思春期から若い世代に対する国際標準の性と生殖に関する教育」の必要性が強調されました。
出生に始まり、新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程を意味する成育過程にある者の医療である「成育医療」を支える土台となるのが、プレコンセプションケアです。また、少子化対策の基盤となるのもプレコンセプションケアです。
この成育過程にある者及びその養育者や関係者のために必要とされる諸事業を一層推進するための基本法(理念法)である「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(略称:成育基本法)が実施される令和元年を「日本のプレコンセプションケア」元年とし、わが国の若者と将来の子どもたちの健康の保持と増進を今後すすめていきます。
プレコンセプションケアの定義
日本でのプレコンセプションケアを、「前思春期から生殖可能年齢にあるすべての人々の身体的、心理的および社会的な健康の保持および増進」と定義することを提案します。
プレコンセプションケアを広めることに賛同する個人や団体への提案
- コンソーシアムを作って、教育・医療・地域保健・職域・企業・若い世代など多種の関連団体および個人で議論し、提案・実施しましょう。
- プレコンセプションケアの定義、目的、目標を明確にし、日本でプレコンセプションケアを広めるための政策提言を作成しましょう。
- 社会全体を巻き込むムーブメントを形成しましょう。
※国立成育医療研究センタープレコンセプションケアセンターと令和元年度厚生労働科学研究費補助金(女性の健康の包括的支援政策研究事業)「保健・医療・教育機関・産業等における女性の健康支援のための研究」研究班の共催で行われました。
日本医師会常任理事 道永 麻里先生と国立成育医療研究センター理事長 五十嵐 隆
パネルディスカッション登壇者の皆様