アレルギーセンターについて
アレルギーセンターの概要
わが国を含む先進国では、約半世紀前からアレルギー疾患が急増し、今や国民の約2人に1人が気管支喘息(ぜんそく)、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患に罹患していると言われています。さらに1人の患者さんが同時に複数のアレルギー疾患を患うことも多く、症状の重症化・難治化を来たし治療のための入院・通院が必要となるばかりか、学校や保育所において適切な理解や支援を受けることができず長期にわたり患者さんや家族の生活に多大な影響を与えるほか、アナフィラキシーショックのように命を脅かす状況に陥る場合もあります。
しかし、すべての患者さんが適切な治療を受けているとはいえないのが現状です。一方で近年、アレルギー疾患に関わる新たなエビデンス(科学的な根拠)が次々と登場しており、一昔前とは治療内容が大きく進歩しているため、医療者は常に適切かつ質の高い診療を求められています。
その中で、国立成育医療研究センターアレルギーセンターは、アレルギー疾患における国の中心拠点病院として、診断が困難な症例や標準的治療では病状が安定しない重症・難治性アレルギー疾患の患者さんに対し、関係する複数の診療科が連携することで総合的かつ包括的に診断、治療管理を行い、専門診療を提供することを目的として2018年6月に設置されました。
アレルギーセンター総合アレルギー科の前身である国立成育医療研究センターアレルギー科、さらには国立小児病院の時代から、私たちは日本のアレルギー診療の最前線として多くのアレルギー疾患の患者さんの診療にあたり、特にメディカルスタッフ(アレルギーエデュケーター)と密接に関わりながら適切な診療を提供して参りました。これからも中心拠点病院として、アレルギー疾患に関する科学的知見に基づく適切な情報の発信、専門的知識と技術を有する医療従事者の人材育成および研修の受け入れ、そして国立成育医療研究センター研究所・免疫アレルギー研究部との共同研究、およびエビデンスレベルの高い臨床研究の戦略的な推進を継続していきます。
アレルギーセンターのミッション
当センターは、2017年に世界アレルギー機構(World Allergy Organization)からCenter of Excellenceに指定され、世界のアレルギー診療と研究のリーダーとして、国内はもとより世界中の専門施設の指導的役割を担うことが期待されています。国内外のアレルギー診療のモデルとなる水準の高い医療を提供するとともに、それを実現するために必要な臨床研究の推進を行っていきます。
診療科のご案内
アレルギー中心拠点病院事業
アレルギー中心拠点病院事業の内容については、「アレルギー中央拠点病院事業について」のページをご覧ください。