代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時〉

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脈管(血管・リンパ管)疾患センター

センター長からのあいさつ

藤野センター長

当センターでは、血管やリンパ管などの脈管の疾患を専門的に診療します。血管腫、血管奇形、リンパ管腫、リンパ管奇形、リンパ浮腫などが脈管疾患にあたります。血管、リンパ管は全身に張り巡らされており、そのため病変は表在から深部まで、体のあらゆる部位に起こります。病変の大きさも小さなものから大きなものまでさまざまで難治性の症例も少なくありません。これらの脈管疾患に対して、当センターでは皮膚科、小児外科、形成外科、総合診療部、放射線科、血液腫瘍科などが中心となって、さまざまな専門科が連携して診断、治療にあたります。
近年、当センターは、従来の確立された治療に加えて、特に難治性症例に対して血管内治療、新薬を用いた硬化療法、新しい内服薬などの高度な治療を行っております。ひとりひとりの患者さんにとって最良の治療を提供できるよう、当センター各診療科の経験と英知を結集し、お子さんの成長を見守りながら、集学的な治療を行っていくことが当センターの使命と考えて日々診療を行っております。



脈管(血管・リンパ管)疾患センター センター長
下島 直樹

理念と使命

  • 脈管(血管・リンパ管)疾患の患者さんに、小児専門医がチームとなって、正しい診断と最適な治療、そして成長に沿った適切なフォローアップを行うこと。
  • 難治性脈管疾患の患者さんに先進の高度な医療を提供すること。
  • 広く脈管(血管・リンパ管)疾患の情報を発信すること。
  • 難治性脈管(血管・リンパ管)疾患の理解と治療の発展のための研究を行い、日本および世界の医療の発展に貢献すること。

診療内容・業務内容

脈管疾患は正確な診断がとても大切です。似たような血管やリンパ管の病気でも、どんな治療が良いのか、いつ頃行うのがよいのか、また将来はどのようになっていくのかなど、疾患によりさまざまです。正確に診断しないととても治療の効率が悪く、しかも最良の結果を得られない可能性があります。正確な診断のために、必要に応じてさまざまな診療科を受診していただくことがあります。

外来診療

病気の経過に関する質問票への記入

脈管疾患を正しく診断するためには、いつ頃症状が表れたのか、硬さや広がりや色などにどんな変化があったのか、その病気以外に気がつくことはないかなど、患者さん本人や家族の方からの情報がとても重要です。(専用の記入用紙にご記いただきます

診察(視診・触診)

病変部表面の色や大きさや形、硬さ、深いところに広がっているのか、押さえると痛むのかなどを診ていきます。さらに、診断や治療効果判定のための大切な情報として、写真を撮って経時的な変化を記録させていただきます。

画像検査

単純レントゲン写真

病変の形や骨への影響、胸やお腹の臓器への影響を診ます。

超音波検査

表面付近だけでなく、お腹の中など深いところや、血液の流れを検出し、疾患ごとの特徴を捉えます。超音波検査は痛みを伴わないため、患者さんが多少動いても実施できます。

CTスキャン(造影)

表面から見えない病変の大きさを計測したり、空間的な広がり、血管との関係などを把握します。ただし、放射線を用いているため最低限にするよう注意しています。

MRI(造影、ダイナミック)

MRIは非常に病変の性質を鮮やかに示すため、診断にとても有用です。病変と健常部の境界も分かりやすく、治療の方針決定に大きな役割を果たします。ただし検査に40分ほどかかり、その間じっとしていなければいけないため幼児には鎮静(薬で眠った状態)を必要とします。

血管造影検査

血管やリンパ管内に造影剤を注射して、レントゲンで血管・リンパ管のみを映します。

リンパ管シンチグラフィ

リンパ管内に取り込まれる薬剤を注入し、その流れを見ます。

ICGリンパ管造影

血管やリンパ管を、蛍光を発するICGで可視化します。

病理検査

病変の一部を採って顕微鏡で詳しく観察し、それぞれの疾患の特徴的な顕微鏡像と比較して診断していきます。病理診断のためだけに一部を採る生検と、切除が可能な場合にはすべてを取って調べる場合とがあります。

治療

手術治療

静脈奇形(海綿状血管腫)やリンパ管腫(リンパ管奇形)など、病変を切除する治療法です。部位によって小児外科、形成外科、耳鼻咽喉科、整形外科などが担当し、入院して全身麻酔下で行われます。また、脈管疾患と合併していることの多い左右の足の長さの差に対しては、成長に合わせて骨の長さや形を修正する治療をおこなっています。

硬化療法

異常に拡張した血管やリンパ管の集まった病変内部の血液やリンパ液の中に、硬化剤とよばれる薬剤を注入することで、異常な脈管を変化させて病変を縮小へ導きます。脈管疾患に特徴的な治療法です。

レーザー治療

体表にある血管病変はその赤味に対してレーザー治療が有効で、色調を薄くできる可能性があります。当センターでは皮膚科にて積極的にレーザー治療を行っています。皮膚が薄い乳児期の方が効果が高く、成長とともに面積も大きくなることから、早めにご相談されることをお勧めしています。

薬物治療

疾患によっては効果的な点滴薬や内服薬があります。また研究の進歩、新しい薬の開発、以前からある薬の新たな有効性の確認など、治療の幅が広がっています。

診療チーム

診療チーム概略図

対象疾患

リンパ管疾患

  • リンパ管奇形(リンパ管腫)
  • リンパ管腫症/ゴーハム病
  • リンパ管拡張症
  • 原発性リンパ浮腫
  • その他リンパ管異常を含むさまざまな症候群

血管疾患

  • 肝血管腫・血管奇形
  • 乳児型血管腫
  • 先天性血管腫
  • 静脈奇形
  • 動静脈奇形
  • クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、混合型血管奇形
  • その他の血管異常を含むさまざまな症候群

受診方法

外来は予約制です。脈管(血管・リンパ管)疾患センターの受診を希望される方は、現在のかかりつけ医師から直接、国立成育医療研究センターの医療連携室へご連絡をお願いします。ご連絡のあとセンター内で検討し、その上で適切な診療科(場合によっては複数科)の初診予約をさせていただきます。
【国立成育医療研究センター医療連携室】
TEL:03-5494-5486(月~金 祝祭日を除く、8時30分~16時30分まで)

【準備いただきたいもの】

  1. 紹介状(情報提供書)

  2. 画像検査結果(MRI, CTなど)の入ったCD-R

  3. 今までに行った血液生化学検査や病理検査結果など

  4. 脈管疾患センターの病歴チェック用紙(チェック用紙のダウンロード

治験について

  • 低流速型脈管奇形患者に対するART-001の有効性及び安全性を検討する第II相臨床試験(2021年7月~)
  • 静脈奇形に対するモノエタノールアミンオレイン酸塩を用いた硬化療法の有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検単群試験(2021年1月~)
  • 難治性の脈管腫瘍・脈管奇形に対するNPC-12T(顆粒剤・錠剤)の有効性及び安全性を検討する多施設共同第Ⅲ相医師主導治験(2020年1月~)

医療従事者の方へ

他施設からの見学・研修のご相談は随時受け付けています。ご希望される方は藤野センター長までご連絡ください。

国立成育医療研究センター(代表)

03-3416-0181

月~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時

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