病院長挨拶
国立成育医療研究センター病院は、日本で最大の小児・周産期・産科・母性医療を専門とする、唯一の国立高度専門医療研究センターです。また、小児・周産期・再生医療領域を中心とした研究所、臨床研究センターを併設したARO(アカデミック臨床研究機関)を有する病院です。私どもの病院の使命は、健全な次世代を育成するために持続可能な医療を提供することです。そのため、小児内科系、小児外科系の診療分野を網羅するだけでなく、胎児診療・産科・不妊診療・母性内科・妊娠と薬情報センター・こころの診療部・アレルギーセンター・小児がんセンター・臓器移植センター・集中治療、救急診療科などを設置しています。この使命を具現化するため、「良質な医療の提供」「成育医療に関する情報の発信」「志高く向上心を持った人材の育成」「質の高い臨床研究の推進」の4つを基本方針として、高度先進医療を率先して行っております。また医療安全と感染制御にも特別な配慮をしております。
日本では世界でも類を見ない少子化が進むのと同時に、2020年に始まった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、国内の小児医療の診療体制が変化しております。当院は国内におけるオピニオンリーダーとしての位置づけにとどまらず、各小児・周産期専門診療で実践してきたグローバルな視点から、多様な価値観を認め合い、学び、新たな風を取り入れることができると考えております。当院が重症な、あるいは稀少疾患の小児患者やハイリスク妊産婦にとって最後の砦となり、こうした人々の家庭に希望や笑顔が増えるような医療が提供できるよう、皆様と共に尽力していきたいと思います。これまで当センターへご貢献されてきた多くの医療従事者のご功績に敬意を払い、当センターのより一層の発展を目指し、全職員と協力し、謙虚に精進して参ります。
笠原 群生