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こどもの医療における適切な意思決定支援に関する指針

お知らせ

1.基本指針

当院では、どの病期でもその子らしく過ごせるように、多職種から構成される医療・ケアチームで、こどもとその家族等に対し適切な説明と話し合いを行い、こどもの最善の利益に基づく意思決定を目指すことに努める。
本指針の対象者は、年齢、発達段階によらず、すべてのこどもとする。

2.当院における医療・ケアの方針に関する考え方

  1. 最新の医学的情報と個別の病状に基づき、予後や病期の見通しなどについて可能な限り正確に評価し、医療チーム内で共有し、協議した上で、医学的事実に基づき、治療方針の妥当性を検討する。
  2. その上で、こども・家族等の価値観や想い、その子らしさを共有し、治療方針に反映する。
  3. こども・家族等と医療者はお互いを尊重し、十分な話し合いをもった上で、治療方針を決定する。
  4. 一旦、決められた治療方針であっても、病状やこども・家族等の気持ちの変化に基づいて見直すことができることを保証する。
  5. 可能な限り疼痛及びその他の不快な症状を十分に緩和し、こども・家族等の心理社会的、スピリチュアルな課題を評価し、包括的な医療・ケアを行う。

3. 当院における医療・ケアの方針に関する意思決定の進め方

  1. こども本人の年齢および意思決定する力に応じて、本人自身も話し合いに参加できるようにする。
  2. 言葉で意向を伝えられないこどもにおいても、言葉以外の表出から本人の想いや意向をすくい上げるように努める。
  3. 方針の決定は、こどもの状態に応じた専門的な医学的検討を重ねた上で、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが必要である。その上で、こども・家族等と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを行い、こどもの最善の利益を基本としてこども・家族等と多職種から構成される医療・ケアチームとの間で方針の決定を行う。
  4. 時間の経過、心身の状態の変化、医学的状態等によりこども・家族等の意向は変化しうるものであることから、医療・ケアチームにより、適切な情報の提供と説明がなされ、こども・家族等が自らの意思をその都度示し、伝えることができるような支援が行われることが必要である。こどもに対しては、年齢や理解力に応じて適宜文書や図を用いるなどこどもが理解できるように多職種で支援を行う。話し合いは状況に合わせて繰り返し行う。
  5. このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録等の文書に記載しておくものとする。



窪田 意思決定支援ワーキング長からのコメント

令和6年度の診療報酬改定において、「入院料の通則」に新たに「意思決定支援」の基準が設けられました。ただ、私たち国立成育医療研究センターは、以前から患者家族の意志を尊重し、話し合いを繰り返して対応させていただいてきました。私たちは今後も、成人患者さんだけではなく、年齢、発達段階によらず、すべてのこどもに対して意思決定支援を行ってきたいと考えています。「こども」だからその意志を尊重しなくて良いということはないのは明らかです。このたび、院内ワーキンググループで話し合い、一人一人のこどもに真剣に向き合っている国立成育医療研究センターとして、成人患者さん向けの「適切な意思決定支援に関する指針」だけではなく、「こどもの医療における適切な意思決定支援に関する指針」を策定いたしました。こどもに関わる多くの方にこの指針を知って頂きたいと考えています。

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