ファブリー病
ファブリー病とは
ファブリー病は、細胞内での糖脂質の分解に必要な酵素が生まれつき足りないために、全身の細胞に糖脂質が蓄積する先天代謝異常症です。この病気は、幼児期や学童期に鋭い手足の痛み、汗をかかない、おしりや陰部の赤紫色の発疹、頻回の腹痛や下痢といった症状があります。特に手足の痛みは、ストレス、高温や疲労で引き起こされ、痛みにより運動ができなかったり、不登校になったりすることもあります。これらの症状を放置しておくと青年期や中年期になって腎症状(蛋白尿、腎不全)、心症状(心臓の肥大、不整脈)、脳の症状(脳梗塞、脳出血)が出現し、年齢とともに症状が重症化していきます。
ファブリー病の治療と国立成育医療研究センターの方針
ファブリー病の徴候や症状は様々で、病気の進行も人によって違います。小児期の診断は困難で、ほとんどの患者さんは成人期に心臓や腎臓の異常をきっかけに診断されています。当センターでは、ファブリー病が疑わしい患者さんには、特徴的な症状の有無を確認して、診断のための酵素活性検査や遺伝子検査を行います。ファブリー病の治療法として酵素補充療法と薬理学的シャペロン療法があります。これらの治療により腎機能や心機能の改善などが認められますが、発病後の完全な治癒は困難です。重症な心機能低下や腎不全に至った場合は、心臓ペースメーカーやバイパス手術、血液透析や腎移植などが必要になります。酵素補充療法や薬理学的シャペロン療法は病状が進行している場合は、十分な治療効果が期待できないため、なるべく早期に開始することが重要と考えられます。
またファブリー病はX連鎖劣性遺伝という形式の遺伝病です。患者さんのほとんどは男性ですが、女性でも発症することがあります。お子さんがこの病気と診断された場合、親御さんがファブリー病の保因者の可能性があります。その場合、遺伝カウンセリングや遺伝学的検査を受けることができます。
国立成育医療研究センターの診療体制
ファブリー病は症状がさまざまな領域にわたるので以下の各診療科と連携して、合併症に対する検査や治療を行います。
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循環器科(心肥大、弁膜症、不整脈)
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神経内科(脳血管障害)
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眼科(角膜混濁)
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腎臓・リウマチ・膠原病科(蛋白尿、腎不全)
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遺伝診療科(遺伝カウンセリング) など
診療実績
受診方法
※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。
なお、現在他の病院で治療を受けている場合や緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。
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