(斜視なし)
斜視
斜視・両眼視機能障害とは
斜視とは、外見的に眼の位置(眼位)がずれていて、両眼の視線が正しく目標に合致していない状態のことを言います。視覚刺激に対する感受性の高い乳幼児期に斜視が起こると、斜視の眼に抑制がかかって視力の発達が阻害されて弱視になります。また両眼で物を同時に見て奥行き感や立体感をとらえる能力、すなわち両眼視機能(脳が立体的にみる能力、3Dをみる能力)が発達しません。一方、学童期以降に斜視が起こると物が二つに見える"複視(ふくし)"が起こります。
斜視の症状として視線のずれのほか、頭位異常(頭をかしげている、顔を曲げている、顎を上げている等)や片目つぶりが目立つことがあります。気になる症状があれば、ぜひ早めに眼科を受診してください。
両眼視機能(立体視)は生後2ヵ月頃から急速に発達して5歳頃までに完成する脳の機能です。さまざまな3D映像を立体的に快適に見るためには立体視が必要ですが、小児にとって両眼視機能は、眼と手の協応や運動能力の発達、読み書きの習得にも影響を及ぼすと言われてます。
両眼視機能検査
立体視検査 |
大型弱視鏡による検査 |
斜視の原因
斜視にはさまざまな種類があり、原因として先天素因、解剖学的異常、筋・神経麻痺、屈折・調節異常などがありますが、眼や全身の病気によって起こる早急な治療が必要な斜視でないかどうか、はじめに調べる必要があります。
斜視のタイプ
眼位ずれの方向によって内斜視、外斜視、上下斜視、回旋斜視に分類されますが、水平と上下、回旋斜視が合併することもあります。
正位
(斜視なし)
左眼内斜視 |
左眼外斜視 |
左眼上斜視 |
左眼下斜視 |
左眼外回旋斜視 |
左眼内回旋斜視 |
斜視の各型の中で、小児によくみられるのは乳児内斜視、調節性内斜視、間欠性外斜視、先天上斜筋麻痺などです。
乳児内斜視など早期に発症する斜視は、両眼視機能の発達が阻害されやすく、両眼視を獲得するためには早期に診断して眼位を矯正する治療(手術、眼鏡、プリズム治療)を行う必要があります。
斜視・両眼視機能障害の治療と国立成育医療研究センターの方針
小児に両眼視機能を獲得させるため、斜視の早期診断・治療に取り組んでいます。斜視専門医や視能訓練士がチームを組んで、乳児期から積極的に検査、弱視訓練、眼鏡・プリズム・手術による治療を行っています。
乳児内斜視、後天内斜視、先天上斜筋麻痺、間欠性外斜視など小児期に手術が必要となる主要な斜視のほか、難治性の早期発症斜視、上下斜視、斜視特殊型に対しても画像診断及び手術治療を多数行っております。
国立成育医療研究センターの診療体制
斜視の診断から治療・訓練まで、眼科の複数の医師・視能訓練士がチームを組んで、一貫した診療体制をとっています。全身疾患に合併する斜視の場合には、総合診療部や小児神経内科医師と連携して診療にあたります。
診療実績
受診方法
※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。
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