小児気道狭窄(喘鳴)
気道狭窄(喘鳴)とは
乳幼児の鼻の穴から気管にいたるまでは、大人よりもはるかに狭く、ちょっとむくんだだけでも呼吸が苦しくなって生命の危険におよぶこともあります。
喉頭軟化症
たとえば喉頭軟化症では喉頭蓋とよばれる蓋のような部分が息を吸うと気管の中に引き込まれてしまうため、息がつまって苦しくなります。
喉頭嚢胞・腫瘍
喉頭に先天性の腫瘍があると、体が成長するに従って腫瘍も大きくなるため、だんだんとミルクを飲んでいるとつまったような音がしたり、体重が十分に増えなかったりすることもあります。喉頭の先天性腫瘍そのものが非常に稀な病態のために診断がなかなかつかないこともあります。
声門下狭窄
挿管により徐々に空気の通り道が狭くなってきます。ちょっと動くだけで苦しくなったり、風邪をひくと喘鳴とひどい咳のクループ症状がみられます。気管切開が必要となることも少なくありません。
気道狭窄(喘鳴)の治療と国立成育医療研究センターの方針
診断
なぜ呼吸が苦しいのか、正しい診断を行う必要があります。
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内視鏡検査
外来にて鼻から内視鏡を挿入し、狭窄している部位を検索する。起きている状態で声帯の動きなどを観察できます。 -
単純X線検査
狭いところの全体像を把握します。 -
全身麻酔下喉頭精査
さらに全身麻酔下に観察し、狭い部分の堅さや大きさを実際に鉗子で確認することもあります。
治療
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気管切開
空気の通り道が狭い場合、感冒などで急激に状態が悪化することがありますので、まず気管切開が必要となることがあります。気管切開については、気管切開ナビをご覧ください。
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内科的治療
呼吸が苦しくて体が大きくならず、ずっと苦しいままのこともあります。体重を増やし、ミルクの飲み方を変え、寝るときの姿勢を工夫するだけでも症状が軽くなる疾患もあります。酸素の投与やエアウェイ(鼻の中から狭いところに筒を入れる)だけで劇的に楽になることもあります。
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手術治療
嚢胞などが大きくなる場合、レーザーメスなどで切除します。声門下狭窄では、狭窄の程度によりレーザーで縮めたり、軟骨を使って拡げる手術を行います。残念ながら高度の狭窄症例では喉頭を拡げる喉頭形成術を何度も行う必要があるなど、治療にも難渋することが多いです。また、長期挿管に伴って声帯が開きにくくなっている場合には、内視鏡下に喉頭形成術を行います。この方法は世界でもまだ始められたばかりの治療法です。
国立成育医療研究センターの診療体制
診断は耳鼻咽喉科 および呼吸器科が連携して検査を行っています。治療では、内科的な治療は呼吸器科および総合診療科が担当し、外科的な治療は耳鼻咽喉科が担当します。また、呼吸が最も苦しい時や緊急時は集中治療科(ICU)が対応します。
診療実績
受診方法
※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。
なお、現在他の病院で治療を受けている場合や緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。
※救急センターは24時間365日診療をおこなっています。診療をご希望の方は、直接救急センターへお越しください。
予約センター(代表)
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