小児難聴
小児難聴とは
小児期に発見される難聴は主に以下の様なものがあります。国立成育医療研究センターでは様々な職種の連携のもと検査・診断から治療・リハビリまで一貫した対応が可能となっております。手術に関しては小児病院の使命として様々な全身合併症や発達障害など、一般病院での手術が難しい場合でも必要と診断された場合には他科と連携し安全かつ丁寧な手術が行えるような体制を整えております。
先天性難聴
先天性難聴は新生児約1,000人に対して1人の確率で罹患します。従来、先天性難聴は3歳児健診時などに「ことばの遅れ」等で発見されていました。国立成育医療研究センターは先天性難聴児を早期発見・早期療育するための新生児聴覚スクリーニングと、要精査となったお子様に対しては日本耳鼻咽喉科学会が認めた精密聴力検査となっております。耳鼻咽喉科医・言語聴覚士・地域の療育施設と連携しながら、補聴器のフィッティングや人工内耳埋め込み術を行います。手術にも担当の言語聴覚士が立ち会い、術前から術後まできめ細かな対応を行います。
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滲出性中耳炎
「なんとなく聞こえが悪い」などといった症状で受診されます。鼓膜の内側(中耳)に滲出液が溜まるため軽度〜中等度難聴を生じます。鼻炎などから続発することが多く、通常は3ヵ月程度で自然軽快することの多い疾患ですが、鼓膜の状態や聴力の状態などに応じて薬物療法や手術療法(鼓膜換気チューブ挿入術)などを選択いたします。国立成育医療研究センターでは状態に応じて日帰りでの全身麻酔手術をおこなっております。術後はかかりつけ医でのフォローをお願いしております。
慢性穿孔性中耳炎・中耳奇形・中耳真珠腫
耳漏・難聴などで受診されることが多いです。鼓膜の状態、純音聴力検査、側頭骨単純CTなどで診断をします。手術は鼓膜形成術、鼓室形成術、人工内耳、アブミ骨手術などの耳科手術全般に対応可能となっております。国立成育医療研究センターでは内視鏡を使用した低侵襲な鼓室形成術も行っており、病状に応じては低侵襲な手術が可能となります。
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小児難聴の治療と国立成育医療研究センターの方針
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聴力検査
国立成育医療研究センターでは様々な月齢に応じた乳幼児聴覚検査(BOA、COR、VRA、Play Audiometry、PTA)が可能となっております。また必要に応じて他覚的聴覚検査(DPOAE、ABR、ASSR)も行っております。
ことばの検査
発達の評価や構音評価に関しては、年齢発達に併せて適宜必要な検査を行っております。
難聴の原因診断
遺伝子は体の設計図のようなものです。近年では先天性難聴の原因として難聴をおこす遺伝子がわかってきました。さらに、妊娠中に知らずにかかった可能性のあるウイルス感染が原因で難聴になることも知られています。遺伝子の検査、およびお母さんと赤ちゃんをつないでいた臍帯(へその緒)からサイトメガロウイルスや、また研究として風疹ウイルスの検出を行っております。
国立成育医療研究センターの診療体制
難聴の診断、補聴器処方、手術などは耳鼻咽喉科の医師が行っています。
補聴器の調整や人工内耳の音入れ、言語訓練などは言語聴覚士が行っております。さら難聴の原因検索にて先天性ウイルス感染などが発見された場合は、神経科により高度な精査が行われております。
診療実績
受診方法
※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。
なお、現在他の病院で治療を受けている場合や緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。
※救急センターは24時間365日診療をおこなっています。診療をご希望の方は、直接救急センターへお越しください。
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