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手足口病

手足口病とは

手足口病は、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスに感染することで発症するウイルス性感染症です。その名のとおり、手や足、口の中の粘膜にあらわれる水疱(水ぶくれ)のような発疹が大きな特徴です。感染するウイルスにはいくつかのタイプがあり、その年によって流行する型が異なりますが、基本的に治療の経過は良好な疾患です。
乳幼児がかかりやすく、一般的には、年齢が進むにつれて症状は軽くなる傾向があります。大人で感染した場合は、皮膚症状が強く表れることもあります。

手足口病の感染経路

手足口病の主な感染経路は、「接触感染」と「飛まつ感染」です。
「接触感染」というのはウイルスが付着した手や物を介して広がります。
「飛まつ感染」は咳やくしゃみで空気中に飛び散ったウイルスを含む飛沫を吸いこんだり、目や鼻などの粘膜に付着することで感染が広がります。飛沫は1~2m程度飛ぶとされています。

手足口病の潜伏期間と症状

手足口病の潜伏期間は、3~6日です。

症状

  • 手のひらや足の裏、足の甲、口の中の粘膜に、数mm大の水疱(水ぶくれ)
    ※通常、3~7日で発疹は消えて、水疱がかさぶたをつくることはありません。
  • 肘や膝、おしりなどにも、水泡が出ることがあります。
  • 発熱

注意が必要な症状

1週間ほどで水疱(水ぶくれ)や熱が引くケースがほとんどですが、発症して2~3日目以降に発熱がひどくなり、吐き気や頭痛を伴う場合は、脳や髄膜にウイルスが侵入している可能性があります(髄膜炎や脳炎)。まれに筋力低下や麻痺(急性弛緩性麻痺)を引き起こすことがあり注意が必要です。

手足口病の治療方針

ウイルス性の感染症のため、風邪と同じように抗菌薬は効果がありません。
治療は対症療法で、発熱や頭痛、口の中の水疱(水ぶくれ)の痛みなどに対して解熱・鎮痛剤を用いることがあります。また、脱水に対する治療が必要なこともあるため、水分摂取を心がけ、安静と栄養に気をつけることが大切です。
口の中の痛みで、お子さんがご飯を食べたがらないこともあるため、のど越しのよい食事をお勧めします。

手足口病の予防

特別な予防法はなく、感染している人との密接な接触を避けることや、手洗いが大切です。
小児科で手足口病と診断された場合は、熱がさがるまで幼稚園や保育園、学校は休みましょう。家で安静にすることが治療の基本です。お子さんの全身状態が安定して、発熱がなく、口腔内の水疱(水ぶくれ)・潰瘍の影響がなく普段の食事がとれる場合は登校(園)可能です。
ただ、症状が回復してからもウイルスは長期にわたって排泄されることがあるため、特にトイレ後の手洗いはしっかりするようにしましょう。

国立成育医療研究センターの小児救急センターは、24時間365日体制です

夏休みや長期休暇、ご近所のクリニックが空いていない時であっても、子どもの不慮の事故や発熱などの急病は突然やってきます。国立成育医療研究センターの小児救急センターは、原因に関わらず急な出来事で困っている子どもの手助けができるよう、年末・年始やゴールデンウィークなどの長期連休を含め、昼夜を問わず24時間365日、複数名の外来診療担当医を配置しています。診療を希望される方は、いつでも救急センターへ直接いらしてください。

当センターでは「まず全ての子どもを受け入れて、病院内で子どものもつ病状の緊急度を判断し(これを「トリアージ」とよびます)、緊急度に応じた診療を行う」ことが小児救急医療の理想だと考えております。重篤な、緊急度の高いお子様の治療を優先するために、長らく待合室でお待ちいただくことも御座います。ご理解・ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

医療関係者の方へ

緊急的もしくは早急に診療予約が必要(入院適応患者を含む)な患者を紹介いただく場合は、医療連携室・救急センターにご一報をお願いいたします。医師に確認のうえ、受入れ可否についてご相談させていただきます。

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