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熱中症(熱射病)

子どもの熱中症とは

人間は、汗をかくことで体温調節していますが、高温の炎天下などで大量に汗をかきすぎると、体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなってしまいます。その結果、元気がなくなったり、けいれんを起こしたり、さまざま症状を引き起こします。これが、熱中症です。
暑い夏だけではなく、体がまだ暑さに慣れてない5月頃も、熱中症には注意が必要な時期です。子どもは大人に比べて暑さに弱く熱中症になりやすいため、水分・塩分の補給について大人が気をつけてあげましょう。

どんな症状があるの?

子どもは自分の症状をうまく言葉で表現できないため、大人の熱中症の症状にある"めまい"や"倦怠感"などは伝えられないことも多くあります。いつもと違った様子はないか、大人が見てあげることが大切です。

軽度・中等症

  • 元気がない
  • 活気がなくなってきている
  • 熱がでる(全員がでるわけではありません)

重症

  • 声をかけても反応しない、応答がおかしい(意識障害)
  • けいれん

子どもは熱中症になりやすい?

子ども(乳幼児・幼児)は、大人に比べて暑さに弱くなっています。その理由は、体温調節機能が十分に発達していないことにあります。特に汗をかく機能が発達しておらず、大人と比べると暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうため、体に熱がこもりやすく体温が上昇しやすくなります。また、全身に占める水分の割合が大人より高いため、外気温の影響を受けやすくなっています。気温が、体の表面温度より高くなると熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収してしまう恐れもあります。

子どもは、照り返しの影響を受けやすい

子どもは体重に比べて体の表面積が広い分、気温など周囲の環境の影響を受けやすくなっています。また、幼少期の子どもは大人よりも身長が低い為、地面からの照り返しの影響を強く受けます。そのため、大人が暑いと感じているとき、子どもはさらに高温の環境下にいることになります。たとえば大人の顔の高さで32℃の時、子どもの顔の高さでは35℃程度になります。

自分では予防できない

子どもは自分で自らの体調の変化を訴えられないことがあります。屋外でずっと遊んでいると、その楽しさに夢中になってしまい、身体に異変が起きていても気づかないのです。したがって、異変がないか、周囲の大人が気にかける必要があります。

子どもの熱中症の予防

こまめな水分補給

本人が「喉が渇いた」と思ったときには、もうすでにかなり水分が失われています。喉が渇く前に少しずつ水分と塩分を補給させたり、水筒・ペットボトルを持ち歩かせましょう。高温・運動時の水分補給については、もともと脱水がない状態であれば、9〜12歳では100~250mLを20分毎、思春期では1時間で1~1.5Lの経口補水が目安になります。補給するのは電解質などが含まれたイオン飲料が望ましいでしょう。

気温と体温に合わせて衣類を調節する

通気性の良い涼しい服を着せるようにしましょう。暑さに応じて脱ぎ着するようにしましょう。外出時には帽子をかぶりましょう。

こまめに日陰・屋内で休憩する

子どもは照り返しの影響を大人よりうけることに留意しましょう。

子どもの異変に敏感になる

顔が赤い、ひどく汗をかいているなどの状態に気を配りましょう。

車内や屋内では適切なクーラーの使用を

いつもクーラーの効いた部屋にいて汗をかかずにいると、暑さに弱くなります。適度に運動させ、暑さに強い身体をつくりましょう。

ベビーカーを長時間、日なたに置かない

ちょっとだけだからと油断せず、常に一緒にいてあげる心配りをお願いいたします。

子どもが熱中症になってしまった時は?

熱中症の症状には、軽度なものから重度のものまであります。あまりにひどい場合、熱射病の可能性も考えられますので、熱中症が疑われる状況では、少しでも意識状態がおかしければ救急車を呼びましょう。身体のなかの体温(深部体温)が高くても、わきの下や口腔内などの表面には表れません。到着を待っている間も、体を冷やし続けることが大切です。
意識障害がなく、イオン飲料などを誤嚥することなく安全に経口摂取できるのであれば、涼しい環境に移動させ、体表冷却・経口補水を実施して、さらなる症状の悪化がないか注意しながら経過観察してください。

応急処置

  • 太い血管のある「わきの下」や「首」などを氷で冷やす
  • 冷たい濡れタオルで身体を拭く
  • 風を送る
  • 涼しい場所に寝かせる など

救急車を呼ぶ目安(※意識障害の有る場合は、他の症状がなくとも救急受診してください)

  • 声をかけても反応しない、応答がおかしい(意識障害)
  • 全身のけいれん
  • ぐったりしている

子どもが元気がない、活気がなくなってきている場合、軽い熱中症の可能性があります。衣類を緩め、涼しいところに頭を低くした状態で寝かせます。塩分・糖分が含まれたイオン飲料を、こまめに少しずつ飲ませましょう。睡眠がとれているのにあくびをしていたり、汗を大量にかいていたりする時は、注意が必要なサインです。
だるさ、吐き気程度であれば、イオン飲料を与えてみて、飲めれば様子を見る、飲めなければ病院を受診。
応答なし、動きがおかしい、けいれんは、重症の症状ですので、すぐに救急車を呼びましょう。

国立成育医療研究センターの小児救急センターは、24時間365日体制です

夏休みや長期休暇、ご近所のクリニックが空いていない時であっても、子どもの不慮の事故や発熱などの急病は突然やってきます。国立成育医療研究センターの小児救急センターは、原因に関わらず急な出来事で困っている子どもの手助けができるよう、年末・年始やゴールデンウィークなどの長期連休を含め、昼夜を問わず24時間365日、複数名の外来診療担当医を配置しています。診療を希望される方は、いつでも救急センターへ直接いらしてください。

当センターでは「まず全ての子どもを受け入れて、病院内で子どものもつ病状の緊急度を判断し(これを「トリアージ」とよびます)、緊急度に応じた診療を行う」ことが小児救急医療の理想だと考えております。重篤な、緊急度の高いお子様の治療を優先するために、長らく待合室でお待ちいただくことも御座います。ご理解・ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

医療関係者の方へ

緊急的もしくは早急に診療予約が必要(入院適応患者を含む)な患者を紹介いただく場合は、医療連携室・救急センターにご一報をお願いいたします。医師に確認のうえ、受入れ可否についてご相談させていただきます。

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