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インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。一般的な風邪に比べると重症化しやすく、日本国内では毎年12月~3月に流行することが多いです。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型などいくつかの種類がありますが、ヒトで流行を引き起こすのは主にA型とB型です。ウイルスの表面にはヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という蛋白質があり、その組み合わせによってさらに細かく分類されます。その中で問題になるのは、A型ではH1N1とH3N2という種類のウイルスです。主に呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、軽症のまま改善することも多いですが、時にクループ症候群※1、気管支炎、肺炎などを引き起こすこともあります。また熱性けいれん※2を起こしたり、まれですが急性脳症に至ることもあります。

※1:クループ症候群

のどの奥(声をだすための声帯があるあたり)が感染により腫れてしまうことで、声がかすれたり、息を吸うときにヒューヒューする音がでたり、犬の鳴き声のようなケンケンするかん高い咳がでたりする病気です。生後6か月から3歳くらいまでのお子さんに多い病気です。いろいろな呼吸器ウイルスの感染が原因となります。ひどくなると息苦しくなってしまい、空気の通り道を広げるための吸入や、炎症をおさえるステロイドを投与するなどの治療が必要となります。クループ症候群を疑う症状がでた場合は、はやめに病院を受診しましょう。

※2:熱性けいれん

お子さんが発熱した際におこる、けいれん発作です。多くの場合は数分程度でおさまり、後遺症なども残さないので過剰な心配は不要ですが、髄膜炎など別の病気が隠れていないか判断する必要があるのでけいれんした場合はすぐに病院を受診しましょう(救急車を呼んでかまいません)。けいれんした場合はできるだけ落ち着いて、お子さんを横向きに寝かせ、もし吐いてしまった時に吐物で気道をふさがないようにしましょう。通常の熱性けいれんは5歳くらいまでが多く、特に1~2才が最も起こりやすいといわれています。

インフルエンザの感染経路と潜伏期間

インフルエンザは、主に「飛沫感染」で感染します。
潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、通常1~4日間(平均2日間)です。

「飛沫感染」
咳やくしゃみ、会話で空気中に飛び散ったウイルスを吸い込んだり、目や鼻などの粘膜に付着することで感染が広がります。会話では、飛沫は1~2m程度飛ぶとされています。

インフルエンザの症状

インフルエンザに感染すると、38度以上の発熱、頭痛、悪寒、関節痛や筋肉痛などの全身症状が突然あらわれるのが特徴です。これに加えて、鼻水、咳、のどの痛みといった一般的な風邪症状も見られます。また、これらに比べると頻度は少ないですが、吐き気や腹痛、下痢などの消化器症状が出ることもあります。

インフルエンザの診断

周囲の流行や症状からインフルエンザを疑うことになるため、病院を受診した時は、周りにインフルエンザの方や、インフルエンザが疑われる症状の方がいたかを医師に伝えることが大切です。
主なインフルエンザの検査としては抗原検査、核酸増幅法があります。最も一般的に使用されているのは迅速抗原検査で、30分以内に結果がでる簡便な検査ですが、精度が十分高いとはいえず、インフルエンザであっても陽性とならないこともあるので注意が必要です。(ご家族がインフルエンザで、そのお子さんにインフルエンザのような症状が出た場合などは、検査が陰性でも臨床的にインフルエンザと診断することもあります。)
また、発熱してある程度時間が立たないと検査が陽性になりにくいことも知られているので、発熱してすぐの状況では検査されないこともあります。
核酸増幅法は精度の高い検査ですが、どこの病院でも実施できるというわけではありません。検査の必要性、どの検査を受けるかは担当の医師とご相談下さい。

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療薬として、日本では子どもにも使用できる抗インフルエンザ薬があり、特に幼児や、重症になりやすい基礎疾患のある方、症状が重い方への投与が推奨されています。それ以外の場合でも、各医師の判断で投与を考慮します。

抗インフルエンザ薬

  • オセルタミビル(商品名:タミフルなど)(飲み薬)
  • バロキサビルマルボキシル(商品名:ゾフルーザ)(飲み薬)
  • ザナミビル(商品名:リレンザ)(吸入薬)
  • ラニナミビル(商品名:イナビル)(吸入薬)
  • ペラミビル(商品名:ラピアクタ)(注射薬)

抗インフルエンザ薬にはそれぞれ特徴があり、年齢や状況により適切な薬剤が違います(例えば、吸入薬はしっかり吸う事ができる年齢のお子さんでないと使えません)。

インフルエンザは多くの場合、自然に良くなる疾患でもあるため、軽症な方には抗インフルエンザ薬の投与が必須とはされていません(投与なしで治ることも多いです)。
抗インフルエンザ薬を使用すると、使用しなかった場合よりも熱などの症状が1日程度早く治ることが期待されます。しかし、抗インフルエンザ薬を使用した方の一定数に、吐き気や嘔吐などの副作用が出ることも知られているので、抗インフルエンザ薬の処方については医師にご相談下さい。

インフルエンザと登園・登校について

インフルエンザにかかってしまった場合、いつから幼稚園や学校に行けるのかとよく質問されます。これは、学校保健安全法施行規則に定められています。具体的には、発症した日を0日目として「発症した後5日を経過し、かつ、熱が下がった後2日(幼児では3日)を経過」となっています。
熱が下がったタイミングによっていくつかのパターンがありますので、下の表をご参照下さい。

保育園、幼稚園児

保育園・幼稚園児のインフルエンザに罹った際の出席停止期間について

小学生、中学生

小学生・中学生のインフルエンザに罹った際の出席停止期間について

インフルエンザ感染症の予防

インフルエンザの予防のためのワクチンは、2種類あります。1つ目は長年使われてきた不活化ワクチンという皮下注射のワクチンで、2つ目が2024年度から使用可能となった鼻の中に噴霧するタイプの生ワクチンです。今のところどちらも効果に大きな差はないとされています。
鼻の中に噴霧するワクチンは、注射に比べて痛みがないのがメリットですが、接種できる年齢が2歳以上19歳未満であること、生ワクチン(ワクチンに含まれるウイルスが生きている)であるため、免疫不全(免疫抑制剤が使用されている、免疫が弱くなる病気があるなど)の方や、妊婦さんなどでは使用ができないことに注意が必要です。また、日本小児科学会はこれらに加えて喘息があるお子さんや、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合についても経鼻生ワクチンは避け、不活化ワクチンを接種することを推奨しています(経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方 ~医療機関の皆様へ~)。
不活化ワクチンも、鼻の中に噴霧する生ワクチンも、インフルエンザの予防には重要ですので、是非大きな流行が始まる前の接種をご検討下さい。
また、ワクチン以外でも、予防につながる日常生活のポイントがあります。インフルエンザが流行しているときは、特に注意して取り組みましょう。

日常生活での感染予防法

  • 人混みを避ける
  • 人混みに行く時は、マスクをする(2歳未満のお子さんには、マスクを着用させないでください。)
  • 適切なタイミングで、正しい手洗いを行う
  • よく触る生活の場所を、定期的に清掃する
  • 他人の手を触った後に、その手で自分の鼻や目などの粘膜面を触らない

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