重症睡眠時無呼吸(2歳以下)
重症睡眠時無呼吸(2歳以下)とは
睡眠中に、いびきをかいたり、低呼吸や無呼吸を繰り返す病気です。日中の眠気や集中力低下を引き起こしたり、多動や学習障害、顎や顔の骨格形成など、高次脳機能や成長発達にも影響を及ぼすことがあります。原因には空気の通り道が閉塞することによる閉塞性無呼吸と、脳から呼吸の指令が止まる中枢性無呼吸があります。
重症睡眠時無呼吸(2歳以下)の症状について
- いびき、無呼吸
- 陥没呼吸:息を吸い込む時に、鎖骨の上やみぞおちなどが凹むような呼吸のこと
- 夜中に何度も起きる
重症睡眠時無呼吸(2歳以下)の検査・診断・分類
- 自宅での睡眠動画記録:夜間の睡眠状況に関して、無呼吸や陥没呼吸、いびきなど動画をご持参ください。
- 単純X線検査
- 鼻咽腔内視鏡検査
- 睡眠検査:一晩の睡眠中の呼吸・脈拍・血中酸素飽和度・胸郭の動きなどをモニターして記録します。自宅で携帯型検査装置で行う場合と、入院して終夜睡眠ポリソムノグラフ検査を行い、閉塞性・中枢性の判断や重症度の判定を行う場合の2つがあります。
閉塞性無呼吸
口蓋扁桃肥大やアデノイド肥大が原因となることが最も多く、また頭蓋顔面異常や筋緊張低下などによって咽喉頭が狭窄することが原因になることもあります。中枢性無呼吸
主にキアリ奇形などの中枢性病変が原因となります。重症睡眠時無呼吸(2歳以下)の治療と国立成育医療研究センターの方針
重症の閉塞性無呼吸の場合は、保存療法では十分な症状の改善が得られにくいため、閉塞の原因となっている口蓋扁桃やアデノイドの切除術を行います。重症の方の中には、肺高血圧や右心室肥大などの心血管機能障害を合併することもあり、精査後なるべく早期の治療が望まれます。また、術後に一時的に呼吸器関連の合併症を認める場合もあるため、集中治療室(PICU)で管理・観察を必要とする場合があります。
中枢性の場合には、小児科と連携し、基礎疾患の治療や夜間人工呼吸器使用等を検討していきます。
中枢性の場合には、小児科と連携し、基礎疾患の治療や夜間人工呼吸器使用等を検討していきます。
※当センターでは、他の施設ではリスクが高くて手術対象とならない重症の閉塞性無呼吸患者(主に合併症を有している、または2歳以下の年少児)を優先して手術を行っております。ご理解いただけますようよろしくお願いいたします。
受診方法
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
小児気道疾患センターの受診を希望される方は、現在のかかりつけ医師から直接、国立成育医療研究センターの医療連携室へご連絡をお願いします。
医療連携室
03-5494-5486月~金曜日(祝祭日を除く)8時30分~16時30分
※医療機関の方からの専用電話になります。
※夜間・休日は代表番号へお電話ください。
準備いただきたいもの
- 紹介状(情報提供書)
- 画像検査結果(MRI, CTなど)の入ったCD-R
- 今までに行った内視鏡検査結果(できれば動画)
診療実績
小児気道疾患センター
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