喉頭(声門下)血管腫
喉頭(声門下)血管腫とは
血管腫とは、内皮細胞が異常増殖してできる良性の腫瘍です。生後1~4週に出現し、生後12~18か月までに急速に増殖し、5~8歳ごろまでに自然に小さくなることが多いといわれています。一般的に、喉頭(声門下)に生じたものを喉頭(声門下)血管腫と言い、女児に多いとされています。
喉頭(声門下)血管腫の症状について
- 吸気性喘鳴(息を吸う時を中心に聴取される雑音)
- 嗄声(声がれ)
- 血痰(痰に血が混じる)
- 呼吸困難:風邪などの気道感染などをきっかけとして、呼吸が急激に悪化することもあります。
無治療の場合には死亡率は50%とする報告があり、症状出現時は早急な治療を必要とする疾患です。
喉頭(声門下)血管腫の検査・診断
内視鏡検査で、血管腫の存在を直接確認することが診断の基本です。内視鏡の実施が困難な場合や本当に血管腫なのかを確認する場合には、各種画像検査(CT、MRI)を併用します。
- 内視鏡検査(喉頭から声門下を観察):典型的には、暗赤色の腫瘤を認めます。新生児から乳児での声門下の観察は困難な場合があり、検査に熟練した施設で行う必要があります。
- 造影CT:血管腫は造影効果を認める腫瘤として描き出されますが、判定困難な場合もあります。
- 造影MRI:CTや内視鏡で腫瘤があることは判明しても、腫瘤の色調や性状から血管腫かどうかはっきりしない場合には造影MRI検査を行うこともあります。
喉頭(声門下)血管腫の治療と国立成育医療研究センターの方針
基本は内服薬治療になります。降圧薬(高血圧の治療薬)として使用されてきたお薬が、乳児期に大きくなる血管腫を小さくする効果があることが分かっています。有効な場合には、数か月から1年程度をめどに内服を継続します。
なお、喉頭(声門下)血管腫は気道閉塞をきたすことがありうる疾患ですので、常に気道確保を優先しながら治療を組み立てていきます。気道狭窄所見が強い場合には、気管挿管などが必要になる場合もあります。
なお、喉頭(声門下)血管腫は気道閉塞をきたすことがありうる疾患ですので、常に気道確保を優先しながら治療を組み立てていきます。気道狭窄所見が強い場合には、気管挿管などが必要になる場合もあります。
受診方法
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
小児気道疾患センターの受診を希望される方は、現在のかかりつけ医師から直接、国立成育医療研究センターの医療連携室へご連絡をお願いします。
医療連携室
03-5494-5486月~金曜日(祝祭日を除く)8時30分~16時30分
※医療機関の方からの専用電話になります。
※夜間・休日は代表番号へお電話ください。
準備いただきたいもの
- 紹介状(情報提供書)
- 画像検査結果(MRI, CTなど)の入ったCD-R
- 今までに行った内視鏡検査結果(できれば動画)
診療実績
小児気道疾患センター
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喉頭(声門下)血管腫