喉頭軟化(軟弱)症
喉頭軟化(軟弱)症とは
声帯や、空気の通り道である気管がある部分(喉の前側の部分)を、喉頭と呼びます。この喉頭の組織(喉頭蓋や披裂)が柔らかく弱いために、気管を塞いだり、狭めてしまい喘鳴を引き起こす疾患のことを喉頭軟弱症と言います。乳児の喘鳴の原因としては最も多い疾患で、先天性喘鳴の30〜75%に認められます。息を吸う時に出現する喘鳴で、生後10日〜2週間以内に現れ、6ヶ月〜8ヶ月をピークに、多くは1〜2歳までに改善していきます。
喉頭軟化(軟弱)症の症状について
- 喘鳴:息を吸うときに、「ゼロゼロ」「ゼーゼー」という雑音がします。
- チアノーゼ:血液中の酸素量が低下し、皮膚の色が青みがかった状態です。
- 哺乳障害:上手く、お母さんのお乳を飲めない状態です。
- 胃食道逆流:胸腔内圧の上昇に伴い胃酸が逆流することです。喉頭に炎症をおこし呼吸障害を悪化させる可能性があります。
喉頭軟化(軟弱)症の検査・診断・分類
喉頭蓋型:喉頭蓋が気管側に倒れこみます。時に詰まったような音がすることがあります。
披裂型:披裂粘膜が吸気時に引き込まれて大きな振動音をたてます。
混合型:喉頭蓋型と披裂型の、両方が合わさったものです。
披裂型:披裂粘膜が吸気時に引き込まれて大きな振動音をたてます。
混合型:喉頭蓋型と披裂型の、両方が合わさったものです。
喉頭軟化(軟弱)症の治療と国立成育医療研究センターの方針
- 哺乳ができて体重増加している場合→呼吸状態が安定している軽症例では無治療で経過観察されます。
- 哺乳が悪く、体重増加不良の場合→外科的治療が行われます。
- 無呼吸・チアノーゼなどの重度の呼吸障害を示す場合→外科的治療が行われます。
外科治療の方法
全身麻酔下で喉頭直達鏡を口腔内に挿入し、内視鏡下でCO2レーザーを用いて喉頭粘膜を焼灼・切除します。
- 喉頭蓋型:喉頭蓋粘膜を焼灼し舌に喉頭蓋を癒合させる事で、喉頭蓋の倒れこみを防ぎます。
- 披裂型:披裂や披裂喉頭蓋ヒダ(披裂と喉頭蓋を連結するヒダ)の粘膜を焼灼・切除する事で余剰粘膜が喉頭内腔や気管内に粘膜が虚脱する事を防ぎます。
術後、粘膜腫脹による呼吸困難を呈する可能性があるので、気管内挿管された状態で集中治療室(ICU)で過ごします。基礎疾患がなく、喉頭軟化症以外の気道疾患がない場合は効果が期待されます。しかし、CO2レーザーによる粘膜焼灼で十分な効果が得られない場合や、合併する病態を有する事で粘膜焼灼での効果が期待されない場合、気管切開術を要する可能性があります。
喘鳴に気付かれてから1〜2ヶ月かけて症状の悪化を示す可能性が考えられる為、初診時に経過観察となった場合でも外科的治療が必要になる場合がありますので、継続的に経過を追う事が大切です。
喘鳴に気付かれてから1〜2ヶ月かけて症状の悪化を示す可能性が考えられる為、初診時に経過観察となった場合でも外科的治療が必要になる場合がありますので、継続的に経過を追う事が大切です。
受診方法
外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
小児気道疾患センターの受診を希望される方は、現在のかかりつけ医師から直接、国立成育医療研究センターの医療連携室へご連絡をお願いします。
医療連携室
03-5494-5486月~金曜日(祝祭日を除く)8時30分~16時30分
※医療機関の方からの専用電話になります。
※夜間・休日は代表番号へお電話ください。
準備いただきたいもの
- 紹介状(情報提供書)
- 画像検査結果(MRI, CTなど)の入ったCD-R
- 今までに行った内視鏡検査結果(できれば動画)
診療実績
小児気道疾患センター
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